キョウリュウジャー VS. 仮面ライダーウィザード。日曜朝が素敵すぎる。
インフォシーク / 2013年2月19日 17時30分
2月17日から新しい戦隊ヒーローシリーズが始まった。「獣電戦隊キョウリュウジャー」だ。
名前のとおり恐竜がモチーフ、っていうかビックリするくらい恐竜をイラスト化したマスクをしている。「恐竜…スゴイ生き物たち!」そんなシンプル・イズ・ベストなナレーションから始まり、正義の味方の大将が指を鳴らすと火山が爆発! 日本、アメリカ、ヨーロッパ、北極圏、南海の孤島…ざっくりとしたエリアから集められたメンバーは、変身のときにサンバを踊る!
これは久しぶりに、ポジティブ全開単純明快なヒーロー番組で間違いないようである。
地域によるのだが、日曜の朝は7:30から戦隊モノ(2/17からキョウリュウジャー)が放映され、8:00から仮面ライダー(現在は仮面ライダーウィザード)が放映されている。この時間は、男の子諸君のゴールデンタイムなのだ。
仮面ライダーウィザードは、昨年9月から放映が開始。1年の放映予定なので、時期的には折り返し地点に差し掛かっている。そうして物語には緊張感がみなぎり始めている。
第23話(2月17日放映)は、ウィザードにとって宿命のライバル怪人・フェニックスと、1対1の決戦であった。
そもそもフェニックスは、ウィザードの仲間・大門凛子を重傷にしている。しかも凛子の心まで踏みにじっているのだ。前夜、静かに闘う決意をするウィザード。かたや闇夜で、決戦に向けて集中を研ぎ澄ますフェニックス。バックに流れる壮大な音楽が心地よい。
決戦当日。公園でウィザードを待つフェニックスは、静かにうつむき、さらに集中を高めている。悪役だが、はっきり言ってめちゃくちゃカッコいい。現れたウィザードも、悩みが吹っ切れた顔をしている。「いい顔だ…」フェニックスがウィザードに声をかける。お互いに変身し、しばし睨み合う。
すぐには始まらないのだ。この緊張感、素晴らしい演出だった。カッコいい!
そうなのだ。ここで私ははっきりと、戦隊モノと仮面ライダーの違いを見た気がしたのだ。
戦隊モノは基本的に集団である。1対1の戦闘もするが、やはり最後はみんなの力で勝つ。カメラは色んな色のヒーローの闘いを順次ピックアップする。そう、バスケットボールやサッカーのようである。これも良い。かたや仮面ライダーは1対1である。仲間の応援があったり、2人目の仮面ライダーが手伝ってはくれるが、最後はやっぱり1対1。孤独に自分を信じるのである。格闘技に近いのだ。
大人になると、男は必ず「仮面ライダーが好きだったか、戦隊モノが好きだったか!」と、飲みの場あたりでどうでもいい質問を投げかけられる。このとき、「どちらも好きだった!」と答える者は、まずいない。おおよそ間違いなく、どちらかが好きだった! と男は言いきるのである。
もしやこの違いは、ヒーローの戦闘スタイルの違いから来ているのかもしれない。しいては「集団か、孤独か」というヒーローの立ち位置をして、子供ながらに感じ始めた自分の人生背景から決まっていくのかもしれない。
男の子諸君のゴールデンタイム。それは、学ぶ時間でもあるようだ。
「過ぎたことを悔やむより、今を受け入れて前に進むんじゃなかったの?」
これは第23話の仮面ライダーウィザードで、ヒロイン・コヨミがウィザードに言い放った勇気の言葉である。こんな名言が、子供の心を育むのかもしれない。
日曜朝が素敵すぎる。一度、見てみてはいかがだろう?
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。
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