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1分でわかる2013年の東京人(前編) ~1分でわかる大阪人の言い分~

インフォシーク / 2013年12月18日 17時30分

大阪・梅田

今回は2013年に起きたニュースをいくつかピックアップしながら、今年出会った印象深い東京人を振り返りたい。

3月は野球のワールドカップ〈2013ワールド・ベースボール・クラシック〉が開催された。今年だったのかと忘れていた人も少なくないだろう。開催時、街を見渡してもオヤジ同士の会話を盗み聞いても、盛り上がっている様子はなかった。その大きな原因はイチローらメジャーどころの辞退だろう。日本球界の選手のみで構成されたチームの雰囲気はこれまでと比べてどことなく土臭く見えた。ちなみに最終順位は16位(ヵ国)中3位だったらしい。へー。

2009年の前回大会はイチローやダルビッシュらが名を連ねた、勝てるチーム。そして2連覇達成。優勝後のシャンパンファイトで原辰徳監督(当時)が「ほんっとにお前さん達はねえ、強い侍になった!」と讃えたコメントは良い意味でも悪い意味でも日本中が震えた。

原が選手を呼ぶ「お前さん」は上からとも下からともとれない変な呼び方だ。1月30日号<なんで東京人は『お前』と呼ばれると怒るのか>では、東京の友人を「お前」と呼ぶと険悪なムードになることに触れた。東西の方面から反響があり関東在住の読者からは否定的な意見が多く、現在は「お前」と呼ぶのを意識的に控えている。「お前」は関東人を紛らわせる破壊力がある。では、「お前さん」はどうなのだろう。怒らせないかもしれないが、大阪人の私には吐き気がして遣えない。

スポーツつながりといえば6月4日〈2014 FIFAワールドカップ・アジア最終予選〉の第8節で日本代表が本大会出場を手にした。こっちは日本中が湧いた。

6月12日号<誰かの真似って楽しいの?>で登場するのは、渋谷駅前のスクランブル交差点で騒ぐサッカーファンという名のにわかフーリガン達。

地方から上京し暮らし出したとたんに大衆文化に染まるミーハー集団にはいつも恐怖すら感じる。最近「デモはテロ」と言った人がいるが、そもそも東京で群れる人の行動はすべてデモのメタファーのようだ。周囲と同じ意見を持ち周囲と同じ盛り上がり方で染まらなければ“東京人”になれないと思っている文化にサッカー日本代表はそれを示すわかりやすいアイコンだ。チャレえ。

ミーハーで群れる当日。レンタルDVD数本がその日返却期限だった私は渋谷のTSUTAYAへと向かうため、嫌々ながらスクランブル交差点を渡った。すれ違い様に「イェーイ!」と私に両手ハイタッチを要求してきた男に自然と冷ややかな目をしてしまい、結果そっと手を下げさせたことをこの場を借りてお詫び、しない。

7月21日に投開票された憲法改正、原子力発電所、消費税、TPPが争点の<第23回参議院議員通常選挙>。大方の予想通り自民党の圧勝に終わったが、投票率は過去ワースト3の52.61%という関心度の低さは予測できたのだろうか。

しかし近年は候補者に対して歯に衣着せぬ物言いで突っかかるキャスターのおかげか、これまで興味すらなかった若者の感心が高まっている。さらに、いわゆるこれまでの候補者っぽくない一般人風の候補者もどんどん現れた。

政治が身近になったのは無知な私にありがたいが、カジュアルになったことで残念な点もある。

8月21日号<東京のユルいカフェの本性>で取り上げた、カレー店はその一例だ。ある議員を支持し始め、店頭に選挙ポスターを飾り出したことで私は行かなくなった。一見ナチュラルな皮を被った思想家、という店や人は東京に多い。

「普段通りの営業では不安ですか?」「人の褌で相撲を取って幸せなんですか?」とあのキャスターに一度聞いてもらいたいものだ。

鹿タカシ
しかたかし ライター。大阪生まれ。大阪芸術大学にて写真を学んだ後に上京しなぜかコピーライターとなって約10年。
現在は都内広告プロダクションに勤務しながら、大阪人からみた東京人(主に上京してきた人)について研究。

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