選挙に行けば、子どもの未来が変わる〜減税政策からみる格差/永嶋 泰子
INSIGHT NOW! / 2024年10月24日 6時50分
永嶋 泰子 /
「減税」が国を滅ぼすと言ったら、驚きますか?
フランスの経済学者トマ・ピケティによれば、減税は国を衰退させる可能性があるというのです。
なぜなら、税金は富の再分配を行う手段だからです。
税収が減ると、当然、必要な場所にお金が行き渡らなくなります。特に教育分野において顕著です。
実際、1932年から1980年までのアメリカでは、最高税率が80%近くありました。しかし、1986年のレーガン大統領による税制改革で、その税率は28%まで引き下げられました。
その結果、アメリカはどうなったと思いますか?
1990年から2020年までの経済成長率は、1920年代から1980年代までの約半分に落ち込んだのです。
実際に、アメリカ経済が優位に立っていたのは、1950年代に高校進学率が90%を超えていた時代でした。
当時、日本・ドイツ・フランスの高校進学率はわずか20%程度でした。
これらの国々で高校進学率が一般化するのは1990年代のことで、これはちょうどアメリカ経済に陰りが見え始めた時期と重なります。
つまり、教育への投資が経済成長の原動力になるといえるのです。
コロナ禍を経験した今、日本でもさまざまな減税政策が実施されています。
確かに、今を生きる私たちにとってはありがたいことです。
しかし、その負担は確実に10年、20年先の未来に回されていることを、私たちは認識しなければなりません。
10月27日(日)は国政選挙です。
私たちは、今だけでなく将来の日本を考える岐路に立っているのです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。この記事があなたの人生の一助になれば幸いです。
▼参考文献
『自然、文化、そして不平等』
トマ・ピケティ著
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