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ジャパンメイドのオーダーシャツ ファクトリーブランド/井上 和則

INSIGHT NOW! / 2015年8月18日 22時20分

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井上 和則 / 株式会社リーダーズ 代表取締役  文化学園文化ファッション大学院教授

日本の繊維縫製業

クールジャパンが言われるようになって久しくありませんが、私自身、オリエントの日いづる国「日本(ジパング)」への誇りとこだわりは若い時から強く持っています。日本には自然、文化、生活、物、精神性等、間違いなく魅力的なものがたくさんあります。ただそれを欧米人のようにグローバル目線で魅力的に表現する事が得意ではないと感じています。

大学時代からずっと繊維・アパレル業界に関連した立ち位置にいますので、アパレル・ファッションの憧れ・高級なイメージといえば、欧米からのブランドや商品がメディア媒体の中心である現実を見てきました。それゆえに日本発でオリジナリティーを持った良いものがもっと市場に有ってもいいのではという思いを強く感じてきました。たとえファッションが欧米から来たものであったとしてもオリエントからの独創的なブランド、デザインや商品が市場にもっと出てきて欲しいと。

日本市場にある衣料品ですが、1990年には日本市場における日本製衣料品のシェアが約50%あったものが、現在では約3%にまで激減しています。労働集約型のアパレル縫製業が賃金の安い労働力のある国に移行していくのは自然な流れですが、それにしても、日本製の付加価値を持った商品が市場にもっと残るべきないものかと思います。

日本だけでなくイタリアなども同様の状況ですが、イタリアはデザインやブランド力で優位性を保とうとしています。日本はというと、もちろんデザイン面も進化してきていますが、機能素材や高品質管理に優位性があると言えるでしょう。「ユニクロ」はその典型例だと言えるかもしれません。

「日本製」衣料製品、テキスタイル生産の現象を憂いていた約5年前ですが、出会いとご縁があり、国内に縫製工場を持つ「コルテーゼ」というファクトリーブランドのオーダーシャツ製造小売業(SPA)に経営陣として参画する事になりました。日本の縫製産業を産業として守りたい。そんな想いが益々大きくなってきました。

オーダーシャツ縫製工場と東日本大震災

オーダーシャツ ファクトリーブランド「コルテーゼ」の縫製工場は日本三景と言われる宮城県松島から少し内陸部に入った場所にあります。

東日本大震災の際はその縫製工場も多少のダメージを受け、約1ヶ月間、工場を休止しました。従業員の近親者にも震災の被害を受けた方がおられ、一時は辛い時期を過ごしましたが、くじけずに日本の繊維縫製業の復権と宮城、東北の震災からの復興を目指して皆で一丸となって頑張ろうという事で心機一転、新たな気持ちで頑張っています。

毎日目にする工場の看板にも会社名と一緒に 「がんばろう日本! がんばろう東北! がんばろう宮城!」と大きくその想いを掲げています。

オーダーシャツ(ジャパンメイド)への想い

最近では、宮城県に居住されている「青葉城恋唄」で有名なさとう宗幸さん、その他都内の著名な方々にもご愛用して頂くようになってきました。

T/C素材に加えイタリア、ドイツなどの舶来高級素材なども揃え、ファクトリー直営ブランドとして百貨店と同品質のオーダーシャツを流通マージンをカットしてその約半額で提供しています。

シャツはビジネスマンの必須アイテムであり、特にオーダーシャツは自分の身体サイズに合った商品として、襟型デザイン、素材、ボタン等を自分の好みに選択でき、自分のネームを付けるなど自分オリジナルの1着として満足を与えてくれるビジネスマンのお洒落なアイテムです。

「コルテーゼ」は都内に7店舗を有しています。各店の店長さんは皆、シャツに関して数十年以上の経歴をもつベテラン職人店長で、他の既製品を販売している店舗とは一線を画しています。

オーダーシャツビジネスの営業は、お客様の身体の採寸から始まり、約30〜40分掛けて素材や襟、ボタン、刺繍など細部に渡り、会話を交わしながら商品仕様を決めていきます。それゆえに、商品だけでなくお客様との会話が心地よいものでなければなりません。

お客様との関係性マーケティングを重視し、サービスや商品を気に入ってもらい、リピーターになってもらう事が大切です。固定客の比率が高いカットハウス,理髪店と同じようなスタイルといえます。

CADに入力し、パターンをおこし、身頃やパーツの生地を裁断して、顧客毎に個別生産方式で生産を行っていき、プレス、検品という工程で仕上げていきます。ライン生産の既製品よりは工程に手間が掛かっています。

繊維縫製産業の課題としては技術の継承、人材の確保等があります。成長分野のIT業界やソフト産業等に若い世代の目線も向きがちで、今後、どのようにテキスタイルやアパレル製品のものづくりに関る人材を確保していくかが課題でもあります。

ジャパンメイドも希少価値ですがそれは差別化の一つの要因であり、さらに魅力的な付加価値が付加されていく必要があると思っています。ジャパンメイドのファクトリーオーダーシャツを通して、お客様にオーダーシャツを着る事の悦びと満足感のご提供又、日本の繊維縫製業の継承をしていくべく、尽力していきたいと思っています。

女性用も対応していますので、是非一度、オーダーシャツ「コルテーゼ」を体験して頂き、ジャパンメイドシャツのファンになって頂ければ嬉しく思います。

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