買い物は応援。北海道のチーズを買うことが世界平和につながる? /LEADERS online
INSIGHT NOW! / 2017年10月16日 8時0分
LEADERS online / 南青山リーダーズ株式会社
「ゴールはまだずっと先」
「チーズのこえは、まだ夢への第一歩です」と語る今野さん。
「これまでは専門性が高くて閉鎖感があったチーズの世界を、商店街の八百屋や肉屋みたいに訪れるお客さんの日常の生活に寄り添って提案していけるものに変えていきたい。それを端的に表すものとして『コンシェルジュ』と名乗っています。こういう店のあり方が一つのチャレンジとして成功していくことが、生産地と食卓をつなぐ小売業という新しいモデルロールになることを願っています」
今野さんにとって「チーズのこえ」はゴールではない。まだまだ先に大きな夢がある。
「その夢って何ですか?」と聞くタケに、まっすぐな視線で今野さんはこう答えた。
「世界平和です」
「でかすぎないですか?」と驚くタケだが、今野さんは動じない。
「食というのは、たとえば戦争になったときには兵糧攻めという言葉もあるように、重要な戦略物資となる。将来的に農業がずっと続いていって、世界中の人が飢えないようにするためには、日々の小さな買い物が大事なんですよ」
今野さん曰く「全部つながっているんです」。世界はみんなつながっている。北海道のチーズを買うことで、北海道の酪農家を救うことになる。北海道の酪農家が育てた子牛が全国の酪農家の元に行き、生乳をつくる。
全国の酪農家がいることで、飼料を育てる農家が助かる。エサを輸入する必要がなくなれば、その分のエネルギーも必要なくなる。エネルギー用に消費されるトウモロコシを飼料に回せば、ブラジルの農家が牛を飼えるようになる…とつながっていけば、世界から貧困をなくし、やがては世界平和にもたどりつける…。
北海道のチーズを買うことが、ブラジルの農家の生活に影響する。まるでわらしべ長者のようだが、すべてはつながっているのだ。
「ずっとこの食べ物が続いていってほしいな、そう思って買い物をしてほしい。買い物というのは、賛成や共感や応援の一票を投じることなんです」
主語を「I」で語りたい
今後の夢の一つとして、今野さんは「システムから生活を取り戻すこと」を挙げる。
利便性を追求する現代のライフスタイルの中ではマニュアルが優先されて生活が空洞化している。
「手触りのある生活を取り戻したいんです」
食生活においても「本来、経済発展の中ではエンゲル係数は低くなっていくというのが経済学の常識なんですが、仕込んだ味噌が出来上がるまで長期間待つというようなことが昔から行われてきた日本の食文化においては、経済が豊かになるとともに、食に対してもっと時間やお金をかけるようになるというのがあるべき姿なんじゃないでしょうか」。
これは、決して「古き良き時代への懐かしさ回帰」ではない。「現代のライフスタイルに合わせた形で取り戻していきたい」
東京にすべてのものが集まるという現状も変えていきたいという。
「本当においしいものは産地にしかない。作られた場所に行って初めて、五感のすべてで味わえる」という今野さんに、「あれ?今やっていること(東京に北海道チーズの専門店を開いていること)とは逆では?」と突っ込むタケ。
「そうですね」とあっさり同意して、今野さんはこう続けた。
「私がやっているのは、きっかけづくりなんですよ。チーズのこえで買ったチーズがおいしかったからと、産地を訪ねてくれる人がいる。そんなふうに、人を動かしていきたいんです」
傍観者でいるのではなく、自ら舞台に上がって動く人になってほしい。
「主語をIで話そうよ、と呼び掛けています。誰かがこう言っていたではなくて、自分はこう思う、こう考えるということを恐れずに発信していきたい」
SNSが普及して、誰もが多弁にはなったが、そのほとんどが他人の意見の受け売りに過ぎない。「自分の意見を表明すると、当然反対意見も多く来る。だいたい5人の応援に対して95人の反対くらいの割合ですよ」という。
それでも、「その応援や反対というのは、その人自身の意見。思わず自分の言葉で語りたくなるような違和感を持たせるのも役割かなと思ってやっています」。
「広く深く、すべてに欲張り続けてやってきたし、いまもやっている」という今野さん。
最後にタケが聞いたのは「走り続けている今野さんが、いちばんリラックスできる時間はどんなとき?」。
少し考えた後で、こんな答えが返ってきた。
「チーズを切っているときですね」
無心になれる時間だというそのひととき、どんな「こえ」を今野さんはキャッチしているのだろうか。
文化放送『The News Masters TOKYO』のタケ小山がインタビュアーとなり、社長・経営者・リーダー・マネージャー・監督など、いわゆる「リーダー」や「キーマン」を紹介するマスターズインタビュー。音声で聞くには podcastで。
The News Masters TOKYO Podcast
https://itunes.apple.com/jp/podcast/the-news-masters-tokyo-podcast/id1227381972
文化放送「The News Masters TOKYO」http://www.joqr.co.jp/nmt/ (月~金 AM7:00~9:00生放送)
こちらから聴けます!→http://radiko.jp/#QRR
パーソナリティ:タケ小山 アシスタント:小尾渚沙(文化放送アナウンサー)
「マスターズインタビュー」コーナー(月~金 8:40頃~)
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「ポケマルおやこ地方留学」2024年夏休みプログラムで、4地域の追加開催決定 新たに道南・浜通り・中房総・京丹後を加えた、過去最多の12地域で開催
PR TIMES / 2024年5月15日 18時45分
-
那須発「バターのいとこ」が東京駅に出店!店舗限定の新作いちごチョコ、6月には東京初上陸の生ドーナツも登場
isuta / 2024年5月14日 14時0分
-
<東京初出店>那須塩原の地で100年以上続く那須千本松牧場のポップアップストアがGOOD NEWS TOKYO 東京駅八重洲中央店内に5月16日に期間限定オープン
PR TIMES / 2024年5月13日 18時45分
-
バターのいとこ「GOOD NEWS TOKYO」物販店舗東京駅初!!改札内外から買い物出来る!JR東京駅八重洲中央改札横すぐ!5月16日(木)オープンのお知らせ
PR TIMES / 2024年5月13日 17時45分
-
【ご当地BOX第四弾】「バターのいとこ」から「那須本店限定ご当地BOX」が4月26日(金)より新登場!
PR TIMES / 2024年4月22日 18時15分
ランキング
-
1だからトヨタは「全方位戦略」を貫いた…「富裕層のシンボル」テスラがここにきて大失速しているワケ
プレジデントオンライン / 2024年5月20日 9時15分
-
2やがて太陽光パネル"大量廃棄の波"が押し寄せる…地銀の「電力子会社設立ブーム」に潜むリスク
プレジデントオンライン / 2024年5月20日 10時15分
-
3コロナ禍で売上げ95%減となった「地球の歩き方」 Ⅴ字回復遂げ新分野に挑戦 岩塚製菓のおつまみスティックとコラボ
食品新聞 / 2024年5月19日 20時14分
-
4健康サプリを「毎月3万円」購入する80代の母。本人は「健康のため」と言いますが、解約させるべき?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月19日 3時0分
-
5イオンの「幸せの黄色いレシート」キャンペーン。レシートを使って寄付したいけど、不良品を「返品」できなくなるの?「寄附」と「レシート保管」を両立させる方法を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月19日 5時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください