チロルチョコ会長が実践する「人材育成で唯一できること」/LEADERS online
INSIGHT NOW! / 2017年12月22日 7時45分
LEADERS online / 南青山リーダーズ株式会社
チロルチョコはカルトだ
20代で入社した時に、今後のブランド展開について考えたという松尾会長。
松尾:
大手のようにはなれないし、カルト文化が好きだったので、そういうブランドになれたらいいなと思いました。
もともとアートが好きで、アメリカで留学中にアンディ・ウォーホールを好きになった松尾会長。日本に無いキッチュなブランドを目指した。
タケ:
チロルチョコとは一体何ですか?
松尾:
私自身かな。
企画はすべて会長が担ってきたため、自分の好みがすべて反映されているのだそうだ。その根源には子供の頃のある経験があったという。
松尾:
昔、いじめられっ子だった。マジョリティに対して、反発心があって。権威とか大きいものに、本能的に反発しちゃうんです。
チロルチョコの正体は松尾会長自身、しかも幼い頃の体験から生まれた反発心が、あのチョコには凝縮されているのであった。
松尾流・商品開発&人材育成術とは?
タケ:
商品開発に必要なことは何でしょうか?
松尾:
チロルチョコに関して言えば、遊び心ですかね。大事って言うか、自分はずっとそれでやって来ました。
自分がワクワクする、楽しんで企画を考えるっていうことが、チロルチョコに関しては必要と説く松尾会長。続けて、タケは人材育成についても聞いてみた。
タケ:
会社の運営もトップの仕事。どんな社員を育てているのでしょうか?
松尾:
僕は人を育てられるって一度も考えたことないんです。唯一できるのはチャンスを与えること。“やってみる?じゃあ権限を与えるよ”とそのくらいですね。
そうして、「ダメだったら次に向かう」と答える松尾会長。人を育てるのは難しく、常に社員にかけている言葉もないという。さらに言うと、業界の集まりにも出席せず、会社の懇親会も乾杯だけやって、すぐ中座するのだという。その裏側にはどんな意図があるのだろうか?
松尾:
僕がその場にいることで周りが気を遣うじゃないですか。言いたくもない、ヨイショもする。こっちもそれを分かっていて“やぁやぁ”って言わなきゃいけない。
チロルチョコを次の世代へ
日経MJに大きな広告が掲載され、話題となった息子さんへの社長交代。今後のチロルチョコについてタケがインタビューを続ける。
タケ:
社長を継がれた息子さんはどんな人でしょうか?
松尾:
息子はまったく僕と違うタイプで、企画はお手上げなんだけど、管理者としては優れていますね。きちっと仕事ができる人間です。
興味深いことに、息子とは言えタイプが逆の現社長。しかしそこでタケには、こんな疑問が浮かぶ。
タケ:
何故、このタイミングで交代だったのですか?
松尾:
60代に入ると肉体的には必ず衰えてくるんですよね。社長業は体力がいります。父が64歳で、脳出血で倒れてるんです。今、私が64歳になり、自分の体力をみていると潮時っていうのがあって。
社長を継いだ松尾会長の息子・松尾裕二さん。そこに浮かぶのは「同族経営」。悪しき風習のようにも語られるこの事業継承について、どのように考えているのであろうか?
タケ:
同族経営の長所、短所ってなんでしょうか?
松尾:
同族経営の長所は“逃げられない”って言うのがあるんです。本当に会社のことを真剣に考えざるをえない。辞めちゃえばそれで終わりのサラリーマン社長とはそこが違うんですね。
自分のことだけを考えられない、これこそが同族経営の強みなのである。定年で社員が辞めると、その社員に対する責任は果たしたという思いから心が軽くなるとも。
タケ:
今後の夢ってなんでしょうか?
松尾:
僕自身はあんまりない。継いだ息子が会社を持続成長させてもらえれば。
通常のお菓子メーカーとは違い、我々の予想を良い意味で裏切ってくれるチロルチョコの商品開発や事業展開。
創業者一族の会長というとどこか「豪快奔放」な人物像をイメージしてしまうが、浮かび上がったのは、それとはまた別の人物像。松尾会長の根底には、いじめられっ子だった子供の頃に芽生えた、マジョリティに対する反抗心があった。
しかし、事業を継承した新社長は、タイプが逆だという。新生チロルチョコは今後どのような事業展開を行うのであろうか!?チロルチョコは、また面白い局面を迎えようとしている。
文化放送『The News Masters TOKYO』のタケ小山がインタビュアーとなり、社長・経営者・リーダー・マネージャー・監督など、いわゆる「リーダー」や「キーマン」を紹介するマスターズインタビュー。音声で聞くには podcastで。
The News Masters TOKYO Podcast
https://itunes.apple.com/jp/podcast/the-news-maste...
文化放送「The News Masters TOKYO」http://www.joqr.co.jp/nmt/ (月~金 AM7:00~9:00生放送)
こちらから聴けます!→http://radiko.jp/#QRR
パーソナリティ:タケ小山 アシスタント:小尾渚沙(文化放送アナウンサー)
「マスターズインタビュー」コーナー(月~金 8:40頃~)
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
“できたてほやほやチロルチョコ”試食や記念パーティーを開催!松尾製菓創業120周年を記念して、120名様をベトナム旅行にご招待しました♪
PR TIMES / 2024年4月24日 19時15分
-
「非上場の同族経営の企業」働きやすいかどうか 勤務経験者は語る「一概には言えないけど」
J-CASTニュース / 2024年4月20日 10時0分
-
離職率が高いのは仕方がない…「ナイトエンタテインメント企業」極秘の社内調査で発覚した<驚愕の事実>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 7時15分
-
チョコで“サ活”!?食べて「ととのう」を体験できる「サウナチロルBOX」を新発売!~ビジネスホテル「ドーミーイン」とのコラボ企画も~
PR TIMES / 2024年4月15日 15時45分
-
里見治紀・セガサミーホールディングス社長グループCEO「エンターテイメントで世界に感動体験を創造する〝情熱集団〟でありたい」
財界オンライン / 2024年4月5日 15時0分
ランキング
-
1米ファンドに日本KFC売却=三菱商事、来月にも
時事通信 / 2024年4月26日 20時17分
-
2円安止まらず158円44銭 NY市場、34年ぶり水準
共同通信 / 2024年4月27日 9時45分
-
3止まらない円安 実は「円弱」 日本は“後進国”に転落か 国力低下の現実とは【報道1930】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年4月26日 16時30分
-
4円相場が一時1ドル=157円を突破 34年ぶりの円安ドル高水準を更新
日テレNEWS NNN / 2024年4月26日 23時38分
-
5突然現場に現れて「良案」を言い出す上司の弊害 「気になったら即座に直したい」欲求への抗い方
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください