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国内唯一の急勾配を登る「アプト式」区間を持つ「大井川鐵道井川線」

ITライフハック / 2015年8月23日 13時0分

国内唯一の急勾配を登る「アプト式」区間を持つ「大井川鐵道井川線」

今回はSLで有名な大井川鐵道大井川本線の千頭駅よりその先、井川駅までを走る大井川鐵道井川線をご紹介しましょう。

井川線は元々、井川湖というダム湖を作るための専用鉄道として建設されましたので、通常の車両の幅とは異なり、最大幅は1850ミリ、最大高さは2700ミリというかなり狭い場所を通る路線となっています。通常の列車は最大幅3000ミリ、最大高さは4100ミリですから、その小ささが分かるでしょうか。非電化区間のため、千頭側に接続された小さなディーゼル機関車が引っぱるかわいい列車が走ります。

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かわいいミニサイズの車内

井川線の特徴はなんといっても「アプト式鉄道」を途中区間の「アプトいちしろ」-「長島ダム」間で採用していることです。90パーミルという、1キロ進んで90メートル上がる日本で最大の勾配を、アプト式に対応した電気機関車2両で引っぱります。前に「明治日本の鉄道遺産、碓氷峠の「めがね橋」を訪ねる」でも紹介しましたが、アプト式鉄道とは軌道間に歯車を広げたようなラックレールを設け、機関車に取り付けられた歯車(ピニオンギア)をかみ合わせて登る仕組みの鉄道をいいます。

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軌道の中央にあるのがアプト式で使うラックレール

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2両の機関車に押されて90パーミルを登ります

ちなみになぜこのようなところにアプト式鉄道が引かれているかというと、長島ダム建設時に井川線を移設しなければならず、その際普通に新たな路線を設けるのではなく、観光目的も含めてアプト式鉄道を建設したということです。その目論見は大当たりですね。じりじりと急勾配の山を進んでいくアプト式鉄道は、鉄道ファンならずともオススメです。

加えて井川線の見所はやはり、接岨湖をまたいで設置されているレインボーブリッジと「奥大井湖上」駅でしょう。湖の中にぽつんとある駅は、鉄道ファンの撮影スポットともなっています。また奥大井湖上駅には幸せを呼ぶ鐘「Happy Happy Bell 風の忘れもの」や、恋人たちの愛を誓う「愛の鍵箱」があります。このほかにも結婚式が行われることもあり、恋人たちが集う駅として売り出しています。

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中央に奥大井湖上駅を望む

なお井川線ですが、2014年9月の土砂災害により「接岨峡温泉」駅から「井川」駅までの区間が不通となっています。山間部を走る路線ではこういうことがままあり、非常に残念ではありますが、現在は並行するバスでしか井川駅に行けません。ただし井川駅近くにある井川ダムも迫力のある建造物ですので、是非とも訪れてみてはいかがでしょうか。

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井川ダム。ダムの上を通ることもできます

■大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)

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