TGS2015で直撃!KONGZHONGが「进击吧!三国」三国志タイトルの日本展開を発表
ITライフハック / 2015年9月30日 17時0分
2014年に日本法人を設立して、本格的な活動を続けてきた、中国トップクラスのオンラインゲーム会社である空中网/KONGZHONG(コンゾン)。今年開催された東京ゲームショウ2015に、昨年に続き2年連続でブースを出展したことは、TGS開催前に「中国企業最大級のブース展開! KONGZHONGが今年も東京ゲームショウ2015に出展」という記事で紹介したかと思う。
昨年の記事「勝算あり!?日本進出の中国ゲーム大手「KONGZHONG/空中网」のTGSブースで本気の覚悟を聞いてきた!」で直撃インタビューに応じてくれた3名、中国本家KONGZHONGの副総裁である张 涛(Zhang Tao)氏、そして日本法人KONGZHONG JP(コンゾン・ジャパン)の代表取締役である楊 彬(Yang Bin)氏、そして執行役員の木村 優(きむら まさる)氏に今年もインタビューすることができたので紹介しよう。
――去年インタビューさせていただいてからこの1年はどのような動きをしていらしたのでしょうか
楊彬氏(以下、敬称略):昨年の東京ゲームショウ2014を皮切りにこの1年間は、KONGZHONGという会社を認知いただくための活動とパートナー企業様の開拓を中心に活動させていただきました。おかげ様で、この1年間で多くの日本企業様とゲームやIP(知的財産権)に関わるライセンスビジネスやアライアンスビジネスのお話をさせていただきました。大よそではありますが、東京ゲームショウに出展されているゲーム会社さんとは様々なお話ができたのではないでしょうか。
木村優氏(以下、敬称略):KONGZHONG JP設立、事業開始から約1年が経過し、皆様に支えられつつ、おかげ様でこの1年間は、多くのゲーム会社様や出版社様等と多様なビジネスモデルのお話と、具体的なお取組を進めさせていただきました。各日本企業の多くが、成長市場であるチャイナマーケットに興味を持たれているとも肌感として強く感じることが多く、我々、日本法人(KONGZHONG JP)としてもご興味やご期待に応えられるよう日々、努力する所存でございます。個人的には各企業の皆様と日本企業目線に立ってお話しもできればとも心掛けております。
――御社が中国で提供しているタイトルで、日本でローンチするものはありますか?
木村:「进击吧!三国」という三国志のタイトルのサービスを2016年に提供する予定と同時にKONGZHONG JPにてパブリッシング事業の立ち上げ準備を行っております。現在、当社KONGZHONGの開発スタッフ等が日本版を開発、日本市場のマーケティング活動等を進めております。三国志のゲームは日本国内でも多くリリースされていますが、我々としては『三国志の本場である中国より三国志ゲームが来たぞ!』と言われるものをお届けできるようにしたいと考えております。
――『进击吧!三国』とはどのようなタイトルですか?
楊:『进击吧!三国』は、かわいいキャラクター設計と斬新なアートスタイルを採用(グラフィックは韓国の一流デザイナーが制作)しており、中国、韓国、台湾等、各国のユーザーに好評いただいているタイトルになります。プレイヤーは三国志の武将のキャラクターを集め、育成し、スキルを付与、自分なりの個性のあるチームを作り上げていきます。武将の特定の組み合わせにより、武将間の“絆”も深まるなど、さまざまな要素を導入しております。プレイヤーのスタイルに合わせて楽しむ事が可能で、多様な一人用のクエストでバトルを把握、資源を奪い合う通常の対人戦、武将だけの対人戦など、長期間楽しむことができます。この度リリースを予定している『进击吧!三国』はライトユーザーでもすぐに遊べるタイトルであると同時にコアユーザーも熱中できるタイトルではないかと感じております。
――日本と中国では、日本と比較してユーザーや環境の違いはありますか?
木村:あります。
1点目としては全体的にライフタイムが短いという点です。日本と比較しても中国人ユーザーはゲームをやりこむ傾向にあり、消化速度が早いというユーザー性質の特徴があります。また、多くの中国のゲーム会社より新作タイトルが続々と展開されており、ユーザーは新しいタイトルへとシフトチェンジしやすいというマーケット性質の違いがあります。総合すると日本と比較してもゲームのライフタイムが短い点が特徴的で、中国のゲーム会社としては短いライフタイムの中で、いかに遊んでもらえるか、いかに長期的にプレイしてもらえるか創意工夫を行っています。
2点目としてはタイトルの性質によりますが、課金システムが異なる点でもあります。
ゲームの中で、日本では“ガチャシステム”が一般的ですが、中国では“VIPシステム”が一般的です。日本ではガチャという、ドキドキやワクワク感を楽しむギャンブル性の高いものが多いと思いますが、中国は自分がどの階層のランクになるか、対価が見えているVIPシステムという仕組みを好む傾向があり、ゲーム内での競争優位性を保っていきます。実際、VIPユーザーからの収益性は高いものとなっていますので、全体の売り上げ構成を占めているのも実情です。
3点目は通信環境が異なります。日本は通信環境が良く比較的広域に、4G、LTE環境が整っているかと思われます。中国は広大な面積の中、3G環境とWi-Fi環境でゲームをプレイすることが多いので、ゲームひとつひとつの通信環境を考慮した設計にしなければなりません。
楊:4点目はプラットフォーム対応の違いです。日本ではGoogle PlayとAppStoreを主要プラットフォームとしてスマートフォンタイトルの展開を行っておりますが、中国の場合は独自のAndroidマーケットが数多く存在しており、ユーザー発信を行う際は各プラットフォーム連動も非常に重要な戦略の一つにもなります。
5点目は広告事情も特徴があり、日本のネット広告に近いものはあると思いますが、中国ではオフラインイベントを盛んにやっています。人がたくさん集まりますので、アニメファン向けのイベントをしてみたり、ゲームの発表会を大々的にやったりなど、オフラインの広告にも力を入れております。あとは地下鉄の広告を使ったイベントや、オープンスペースにオブジェを作って人を集めてみたりして、人を集めます。そういう所でアクティブユーザーを獲得するという特徴はあります。
――これから1年の目標などはありますか
木村:私がKONGZHONG JPを創設した時期より目標としているところでもありますが、「日本で一番コミュニケーションが取れる中国のゲーム会社」にしたいという思いは強くあります。日本国内の例をあげると東京と大阪の距離感だけでもエスカレーターが左立ちか右立ちか異なる常識がある中、海を越えて国が違うともちろん文化の違いや、常識が異なる部分もあります。そのような中で、お互いがお互いの事情をしっかりと理解し、歩み寄れる体制づくりを進めていくことが大切であると感じており、そこを具体的に形作りしていきたいと思います。
楊:今の会社は日本人と中国人が半々ですので、非常にコミュニケーションが取りやすい会社であると私たちは思っています。また、中国本体のKONGZHONGも、日本に対してはWelcomeな会社でありますので、取り組んでいただきやすい会社であると思っています。
多くの日本の良質なコンテンツが中国に渡っていくことを望んでいますし、逆に中国に今ある良質なコンテンツが多く日本展開されることを望んでおり、私ども日本法人としても日中ビジネスの架け橋になれるよう日々努力したいと考えています。
――最後に日本メーカーに社長よりメッセージをお願いします
楊:私どもは中国展開するためのノウハウや経験に関しましては多くの事例を持っておりますので日本のパートナー様含めまして引き続きお伝えできればと思っております。
KONGZHONGに関しましては、新しい発想をどんどん受け入れたいとの意向も強く、加えて日本の企業様の新しいゲームを提供したいと思っており、お互いがより深くお互いの事を理解しつつ、ビジネスをうまく融合しながら、進めていければと考えております。
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