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【孫泰蔵氏へのインタビューあり】孫泰蔵氏と馬渕邦美氏らが新会社を設立!Xinobi AI、自治体向けのAIエージェント「Hanzo for Government」のねらい

ITライフハック / 2024年12月24日 0時30分

【孫泰蔵氏へのインタビューあり】孫泰蔵氏と馬渕邦美氏らが新会社を設立!Xinobi AI、自治体向けのAIエージェント「Hanzo for Government」のねらい


Xinobi AI株式会社は2024年12月5日(木)に設立記者会見を開催し、自治体向けAIエージェント「Hanzo for Government」を発表した。当日は、AIに関するトークセッションやライブAIプロトタイピングなども行われた。

■Xinobi AI 事業ビジョンとAIが変革する新しい世界を語るトークセッション
Xinobi AI株式会社は、世界で初めて「行政効率化」に特化したサービスを提供するAIエージェント専業の会社だ。世界No.1広告代理店グループWPPの中核ブランド「オグルヴィ・ワン・ジャパン」代表取締役、Facebook Japan Country Directorなど、シリコンバレー・外資企業の役員を歴任した馬渕邦美氏と、孫正義氏の実弟で連続起業家、ベンチャー投資家の孫泰蔵氏が共同で創業した。

これまでのAIは、質問に対して回答を示すものであった。これは「ゼロショット」と呼ばれる非エージェント型のワークフローだ。それに対して、AIエージェントはエージェント型のワークフローを実施する。人が設定した目標に対して必要なデータを収集し、そのデータに基づいて自己決定タスクを遂行しながら自動的に目標を達成する。いわば、一歩先を行く「考えるAI」だ。

孫泰蔵氏は「いよいよ社会的な実装としてAIが使われる世界になると思いますが、その際AIエージェントは必須の機能なので、我々は誰でも使えるAIエージェントの環境を提供したいと思い、起業しました。」と同社設立の経緯を語った。

1205_2024_Xinobi_013Xinobi AI株式会社 Co-Founder 共同代表 孫 泰蔵氏

馬渕邦美氏は「AI Agentが加わったGenerative AIの構造」というプレゼン資料を示し、「これからのAIは、ファンデーションモデルを超えた戦いで世界を変えていくだろうと考えています。様々なAIエージェントが登場し、エージェント同士が連携していきます。このエージェントの時代に、我々は多様なサービスを提供していくことを考えています。」と事業ビジョンを述べた。将来的な事業範囲としては、自治体、起業家、そして個人に至るまで、あらゆるニーズに応える予定だ。

1205_2024_Xinobi_012Xinobi AI株式会社 Co-Founder 共同代表 馬渕邦美氏

今回は会社設立ということで、事業概要のみを説明したが、来年以降、詳細を明らかにしていく構えだ。

イベントでは、デジタル大臣の平将明氏から「政府においてはデジタルガバメント、そしてガバメントクラウドという風に進めてきましたので、今後AIの実装もしっかりと進めていきたいと考えております。」というビデオメッセージが届けられた。

daijinデジタル大臣の平将明氏からのビデオメッセージ

■シリコンバレーから見たAI最新技術レクチャー
引き続き、Xinobi AI株式会社 Research Directorのアラン小松崎氏、同社 Chief Prompt Officerの林駿甫氏、Xinobi Lab Lab Directorの小平暁雄氏が登場し、シリコンバレーから見たAI最新技術レクチャーを行った。

アラン小松崎氏は、言語モデルに特化した研究者で、ジョージア工科大学で機械学習の博士号を取得した。Google Brainでインターン経験があり、2021年にはGPT-Jという6Bパラメータを持つ大規模言語モデルの共同開発者として活動した。また、同年にはStable Diffusionのデータセット開発を主導した。

1205_2024_Xinobi_083Xinobi AI Research Directorのアラン小松崎氏

同氏は、LLM(大規模言語モデル)とAIエージェントの歴史について解説した。言語モデルとは、ChatGPTなどの技術の基盤となるAIであり、言語を読み込んで生成するものだ。任意の文脈に対して、次に続くべき単語の確率分布を出力する。生成AIは言語だけでなく、あらゆる分野で使われる基盤的技術である。1990年のN-gramsから現在のChatGPT-4に至るまでの言語モデルの歴史を振り返りつつ、AIエージェント、ロボット言語モデル、大規模推論モデルといった最新技術の進展についても紹介した。

1205_2024_Xinobi_116同社 Chief Prompt Officerの林駿甫氏

林駿甫氏はプロンプトエンジニアリングの第一人者であることから、ライブ・AIプロトタイピングを披露した。簡単にいえば、AIによるプログラミングだ。イベントでは、自治体エージェントのモックを作ることになった。話した内容を文字起こした内容を生成AIに読み込ませて、要件を定義した後、「考えてください。考えてください。考えてください。考えてください。ちょっと休憩して、考えてください。考えてください。考えてください。考えて。考えて。考えて。深呼吸して、考えてください。(以下、省略)」「コマンドラインプロンプトとして、すべてコードブロックの中に書き出してください。」と話すと、コードが生成された。

1205_2024_Xinobi_131

小平暁雄氏は、画像生成AIによるメディア生成のトレンドについての研究や、リアルタイム画像生成パイプライン「StreamDiffusion」を用いた超高速の画像生成、動画生成AIの最新動向の紹介など、多岐にわたる活動を行っている。イベントでは、リアルタイム画像生成パイプライン「StreamDiffusion」を活用した超高速画像生成や、「Meta Movie Gen」「Text-to-Video」といった動画生成AIの最新技術動向を解説した。

02Xinobi Lab Lab Directorの小平暁雄氏

その後、第三者の立場から参画するアドバイザーを紹介した。

1205_2024_Xinobi_172

■AIエージェント「Hanzo for Government」を発表
「Hanzo for Government」は、行政機関の業務を支援する革新的なAIエージェントである。複雑化する業務プロセスを効率化し、顧客や住民へのサービス向上を図ることで、組織の成長と発展をサポートする。同エージェントを導入することで、利用者は24時間365日、いつでもどこでも必要な情報にアクセス可能となる。また、多言語対応により、外国人顧客や住民、観光客もスムーズに情報を得ることができる。待ち時間ゼロの即時応答を実現し、ストレスフリーなサービスを提供するほか、個別のニーズに合わせたパーソナライズされた情報提供も可能である。これらの機能により、顧客満足度や住民満足度を向上させることができる。

1205_2024_Xinobi_047

同社は2025年以降、様々なAIエージェントを発表する予定だ。世界と比較して大きく遅れをとっている状況を重要視しつつ、少子高齢化が進行する今後の日本において必要不可欠となる自治体のデジタル化を、圧倒的なスピードで推進していくとしている。

■孫泰蔵氏へインタビュー
―― ご自身でXinobi AI株式会社を創業した決め手を教えてください。
孫泰蔵氏:こんなAIのビッグウェーブが来ていて、自分もプレイヤー側になりたかったからです。野球にたとえると、コーチや監督ではなく、選手でプレイしたいという気持ちです。具体的なアイデアがたくさん浮かんだので、それをほかの人に進めるのではなく、自分でやりたくなったというのが本音です。

1205_2024_Xinobi_221Xinobi AI株式会社 Co-Founder 共同代表 孫 泰蔵氏

―― 競合サービスとの違いは、どこにあるのでしょうか?
孫泰蔵氏:「AIエージェント」という言葉がありますが、「自律的に主体性を持って推論し、実行する」という点が、従来と大きく異なります。今までは、設計したもの以上のインプットやアウトプットはありませんが、AIエージェントは自分でどんどん学習し、より深いことを実行します。

たとえば、予約システムの場合、利用者が「この日、空いてますか?」と聞くと、「空いています」「空いていません」と返答し、空いている場合には予約が可能です。AIエージェントが予約エージェントになった場合、2人で美味しいものを食べたいと思ったとき、そのお店が「空いています」「空いていません」と返答するだけでなく、空いていない場合には似たようなお店やさらに素敵なお店を推薦してくれます。さらに「一緒に行く相手にも伝えましょうか?」と尋ねてくれ、「お願いします」と答えれば、予約情報を相手に伝えます。また、「お車も用意しましょうか?」と聞かれ、「お願いします」と答えると、自動車の手配もしてくれます。

いわば優秀な秘書の仕事をこなしてくれるわけです。「次もお願いします」と言えば、次回から同様に、自動車から店舗まで手配をしてくれます。既存のITシステムでは不可能なことも、AIエージェントであれば、どんどん実施してくれます。使えば使うほど、より理解を深め、利用者に最適なサービスを提供してくれます。

1205_2024_Xinobi_225Xinobi AI株式会社 Co-Founder 共同代表 孫 泰蔵氏

―― 今後の展開を教えてください。
孫泰蔵氏:現在、「Hanzo for Government」として提供されていますが、「Hanzo」は企業向けにも提供する予定です。ここで「中小企業」という言葉が適切かどうかは分かりませんが、「Hanzo」を通じて、新しい中小企業が次々と生まれることを目指しています。

たとえば、少人数でも優れたプロダクトやサービスを提供している企業が「Hanzo」を導入することで、これまで不可能だったプロダクトやサービスを提供できるようになります。

わかりやすい例を挙げるならば、町の小さなパン屋さんが「ニーズがあれば作れますが、大量には作れません」といった際に、AIエージェントを活用すれば、「オーダーがあればその分のパンが作れる」という新しいタイプの中小企業を創出できると考えています。なぜなら、キャパシティの問題を解決すれば、AIエージェントが動けばマーケティングが不要な社会が実現し、大企業でなくてもかなり大きなビジネスを展開できる企業が数多く登場するからです。

最終的には、「社員数10人の銀行でも、地方銀行よりも大きい」というような企業が出現するかもしれません。これらの企業は社員数は中小企業ですが、大企業のようなビジネスを展開することも夢ではありません。

―― 今後、AIエージェントを活用する企業が増えそうです。本日は、ありがとうございました。

1205_2024_Xinobi_236Xinobi AI株式会社 Co-Founder 共同代表 孫 泰蔵氏

■Xinobi AI株式会社

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