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『信長の野望』プロデューサーに聞く 「シブサワ・コウ」という創業者の名を背負う重責

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月13日 13時8分

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コーエーテクモホールディングスの襟川陽一社長

 「歴史シミュレーションゲーム」という新ジャンルを打ち立てた『信長の野望』。1983年にパソコンゲームとして世に出て以降、主要作だけで16作が登場している。

 「歴史シミュレーションゲーム」といっても、その実態は「領国経営ゲーム」と言ったほうが正しい。他勢力よりも先んじて、自分の支配する領国の国力を効率的に充実させることが第一の目標になり、その過程で内政をしたり、優秀な人材を登用したりといった作業が中心となる。

 戦国時代の華である合戦はあくまで領地拡大手法の一要素にすぎず、他勢力を戦いではなく外交で平和的に取り込むことも重要な選択肢だ。

 こうした経営的要素から、ハーバード大学のビジネス・スクールなど、MBAの教材として活用している学校もある。「歴史シミュレーションゲーム」以外にも他ジャンルの展開もしていて、MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)やシミュレーションRPG、カードゲームなどのスピンオフ作品も発売した。本作は30~50代の男性を主なターゲットにしており、シリーズ累計の累計出荷本数は1000万本を超える 。

 開発者は、コーエーテクモホールディングスの創業者である襟川陽一社長だ。初代『信長の野望』は襟川社長が「シブサワ・コウ」名義で開発から販売、ユーザーサポートまで一人で全て手掛けた。初代『信長の野望』の大ヒットにより、コーエーテクモホールディングスの前身企業である「光栄」は、襟川家の家業であった染料工業薬品問屋業からゲームソフト開発企業へと転身した。

●「スーパーマリオ」「ドラクエ」よりも長い歴史

 その「信長の野望」シリーズが、2023年で40周年を迎えた。これは国産ゲームの代表作である「スーパーマリオ」「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」「ファイナルファンタジー」「ストリートファイター」などといったシリーズ作品よりも長い歴史を持つ。

 この「信長の野望」シリーズ40周年を記念して製作したタイトルを23年8月、スマートフォンゲームとしてリリースした。タイトルは『信長の野望 出陣』(以下、『出陣』)で、同社初の位置情報ゲームを世に出した。ゲームのシステムは『ポケモン GO』のように、プレイヤーの位置が主体となり、自分の陣地を拡張していくスタイルだ。

 位置情報ゲームとして展開した狙いは、既に『ポケモン GO』や『ドラクエウォーク』などといったヒット作が登場している点にある。『ポケモン GO』の全世界の累計収益は65億ドル(約9800億円)以上 。『ドラクエウォーク』も17億ドル(約2500億円)の累計収益を突破しており 、その市場は大きい。

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