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ドンキで男性向け美容家電“爆売れ” マンダム参入の決め手は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月24日 8時30分

 開発には年単位の時間がかかっており、特筆すべきは、アイテムごとに中国の異なる工場で製造しているにもかかわらず、デザインなどを統一している点だ。美容家電の開発が初めてというマンダムだが、開発体制は十全の準備をしてきた。

 マンダムの男性向け美容家電は、全国に479店舗を持つドン・キホーテの内、約460店舗で専用スペースを設けて大々的に展開する。同社では男性向け美容家電の売り上げが近年伸びており、23年度は22年比120%の売り上げで、今後さらに伸びていくカテゴリーだと見ている。

 ドン・キホーテの運営会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスのPB企画開発の川上知大氏は「2~3年くらい前から男性の美容意識が高まっているのを感じている。脱毛がより身近になってきたことが背景にある。男性に関わらず美容家電は、24年度は150%の伸長を目指して商品開発、棚卸しをしており、特に男性向け美容家電に期待している」と明かす。

 ドン・キホーテでは従来、電気シェイバーやバリカンなどグルーミングのアイテムの売り上げが特に大きかった。だが、若年層をターゲットにした男性美容家電を自社で開発することができていなかったところに、ヘアワックスで販売実績のあるマンダムの美容家電の話があがった。

 「弊社では店舗ごとに取り扱う商品を決める権限がある。当初予定していたのは430店舗だったものの、現場スタッフの要望から最終的に約460店舗で展開することが決まった。これだけの店舗数で同一アイテムを展開するのは今まであまりないことなので現場の期待値の高さが分かる」(川上氏)

 現在、具体的な販売目標は明かされていない。しかし、男性の美容家電の市場が大きく伸びているのは大きな商機だ。マンダムが商品開発に踏み切ったのは美容家電の売上高が大きかったことに加え、男性客が多いドン・キホーテからのいわゆる「現場の声」が後押ししたのは間違いない。

 マンダムは4月にもマツキヨココカラ&カンパニーと共同開発による、マツキヨココカラ&カンパニー初のプライベートブランド「KNOWLEDGE(ナレッジ)」から「スキンケアシリーズ」5品と「ヘアケアシリーズ」4品を、全国の店舗とオンラインストアで発売する。

 プレスリリースに書かれた発売背景には「マツキヨココカラ&カンパニー初のメンズスキンケア・ヘアケアプライベートブランドとして、マンダムが長年培ってきた男性肌研究に基づく技術力と、マツキヨココカラグループの1億4000万を超える顧客接点より得られる購買データから、商品DNAや顧客の意識スコア等を活用した高度な分析力を掛け合わせ、開発した」とある。

 マンダムはより小売店との接点を生かした商品開発に励む。メーカーにとって、顧客の求めるものを知る小売店の声は、今までよりも大きなヒントになっていきそうだ。

著者プロフィール

乃木章(のぎ あきら)

フリーランスの記者・カメラマン。アニメ、ゲーム、コスプレ、ファッション、日本酒、ビジネスなど多角的に取材。とくに中国語が得意で、中国・東南アジア市場の取材に注力している。また、カメラマンとしてもアパレル系を中心に撮影。ポートフォリオ。Twitter。Instagram

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