生成AI、明治の活用法 社内アイデアソンで生まれた案は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月2日 11時15分
効果的な使い方などを発信するコミュニティーを立ち上げ、社員同士が活用方法をシェアできる仕組みを作っているという(同社提供、以下同)
「生成AIと従業員の知見を掛け合わせることでこれまでにない価値創造・業務効率化の実現を目指す」との目標を掲げ、メールなどの文章作成や要約作業、プログラミング言語のコード生成などに活用しているという。活用アイデアの創出に向け、社内ではどのような取り組みをしているのか。回答は、明治ホールディングス グループDX戦略部 イノベーションGの佐々木恭平氏。
●Q. 生成AIはビジネスと社会にどんな変化をもたらすか
生成AIの登場により、これまでにない価値創造・業務効率化の実現が可能になると考えています。当社は、日本マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」を活用し、当社の環境にあわせて構築した生成AIツール「meiji AI Talk powered by ChatGPT」を、2024年1月15日より社員約1万人を対象として運用を開始しました。
導入後の社内説明会には多くの社員が参加し、注目度の高さを感じました。現在は、メールなどの文章作成や要約作業、Excel関数に関する質問やVBA(※1)のコード生成などに活用しています。また、効果的な使い方など情報を発信するコミュニティーも立ち上げ、社員同士が良い活用方法をシェアできる仕組みを作っています。
(※1)VBA:「Visual Basic for Applications」の略語で、ExcelやPowerPointといったMicrosoft Officeのアプリケーションの機能を拡張することができるプログラミング言語のこと。
●Q. 自社のAI技術の強みは何か
「meiji AI Talk powered by ChatGPT」は、汎用的なLLM(大規模言語モデル)として全社員が幅広い業務シーンで活用できる生成AIです。
当社独自の活用方法はまさに検討段階であり、これから着手するところですが、23年度にこの足がかりとして複数部署のメンバーによるアイデアソンを実施しました。この取り組みから創出された生成AIの活用アイデアとして、RAG(※2)の技術を活用した社内データ検索の効率化や、システムヘルプデスク業務を生成AIで代替するなどのアイデアが創出されました。今後はこれらのアイデアを実現すべく、効果検証を行いながら進める予定です。
(※2)RAG:「Retrieval Augmented Generation」の頭文字をとったもので日本語に訳すと「検索拡張生成」のこと。
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