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「F1への技術提供」の舞台裏 「5000億円の収益」を支えるレノボのITインフラとは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月15日 13時8分

 サッカー「2022 FIFAワールドカップ」の収益は170億ドル(2兆6289億円)だった。F1以上の規模を誇るものの、ワールドカップは4年に1度しかない。一方F1は毎年開催されている。コンスタントにビジネスを展開する意味で、企業にとって最も魅力的なコンテンツはF1だと言えるだろう。

●多彩なハードを提供 サーキットでITサポート

 24年のF1は9カ月の間に、欧州、中東、東南アジア、東アジア、南北アメリカで全24戦を開催する。レノボはF1にハードなどを提供していて、動作環境は砂漠から高地、高温多湿など過酷だ。かつ長距離輸送も伴う。ハードでは技術力や信頼性が何より大切だ。

 「22年から複数年契約のスポンサーをしています。F1はスポーツですが、技術を重視している競技でもあります。最先端の技術をどう使いこなすかはIT業界とも通じます。当社はF1に携帯電話、タブレット、PC、サーバ、ネットワーク、エッジなど使われるモノを幅広く提供していますが、レノボの強みを生かせると感じています」(檜山社長)

 レノボがF1に提供している技術の一覧表をみると、ノート型PCで有名な「ThinkPad」を含め多様な製品がずらりと並ぶ。これに加え、将来的な技術的方向性を話し合うなど、長期的な視野に立ってF1との関係を深めている。

 実は、約半年前の23年9月にも23年シーズン第17戦として日本GPが開催された。24年のF1はスケジュールの最適化を図ったため、第4戦に組み込まれた。この半年間でもサーバやノート型PCを入れ替えるなど、継続的にサポートをしている。

 特にハードのサイズは世界中を巡ることを想定し、コロナ前に比べてかなり小型化し、サーキットに運ぶ機器も少なくした。運搬に使うコンテナやトラックも少なくした上に、移動しなければならないスタッフの人数も減らした。これは環境負荷を考えると大きなメリットとなる。

 レノボの商品がもしサーキットで壊れた場合も、レノボ側が修理をする。F1の担当者は「レノボのITサポートがサーキットに作られていて、すぐ対応してくれます。ラップトップに関して言えば、スペアを10台ほど用意しているので、修理が無理なときは交換しています」と話す。

●F1の各種映像に貢献

 レノボの技術は、放送や配信に必要不可欠だ。F1の全てのメディア事業は、英ロンドン南部のビギンヒルにある「メディア&テクノロジーセンター(M&TC)」が管理する。F1の映像やデータ処理については、M&TC内にある「リモートテクニカルセンター」(RTC)とサーキットの現場に設置された「イベントテクニカルセンター」(ETC)の2カ所が担う。

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