ニトリ、ワークマン、モンベルが続々参入 軽くて安い布製ランドセルは“価格破壊”を起こすか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月21日 6時30分
ニトリの広報担当者によると、23年の販売実績は同社のランドセル単品販売数量ベスト5以内に入っており非常に好調だったという。
●モンベルの通学用バックパックを自治体が配布
アウトドスポーツ用品を手掛けるモンベル(大阪市)が、21年に富山県立山町と開発した通学用バックパック「わんパック」は、同社のECサイトにおいて1万4850円で販売している(わんパック 14の場合、以下同)。
背面と底面はしっかりしたパネル入りで自立しており、型崩れを防ぐようになっている。水濡れに強い素材を採用しているのが特徴で、レインカバーと反射テープも備えている。同社は「これまで登山用品などの開発で培ってきた高機能素材や技術力を結集して完成させた」としている。
発売当初は品薄状態が続いていたが、現在は全てのカラーで「在庫あり」という状態だ(4月19日時点)。重量は930グラムとなっている。
当初は立山町内の小学校に入学する全児童に立山町からプレゼントするためのものだった。同町の舟橋貴之町長は「ランドセルは高額で家庭の負担にもなるため、機能的で軽く、経済的にも負担にならないものを町から子どもたちに贈りたいと考えた」とその背景を発表会で語っている。
岡山県備前市や長崎県島原市では、行政が新小学生にわんパックを配布している。子育て家庭の負担を軽くするのが狙いだという。
21年6月に沖縄県が発表した未就学児調査によると、「学用品やランドセルの購入費用が不足しそう」と回答した保護者の割合は全体の21.8%だった。
物価高で生活が苦しいと感じる人が増える中、より安価なランドセルの需要は高まる可能性がある。
●ワークマンも参入
ワークマンは6月、8800円の軽量ランドセル「ZSG03 スチューデントデイパック」を発売する。同社としてランドセルに参入するのは初めてのことだ。
販売するランドセルはナイロン製で、これまで職人向けに生産してきたバッグのノウハウを活用している。防弾チョッキにも使用されるほど高い強度と耐久力がある「バリスティックナイロン」という生地を採用しているのも特徴だ。背面部分内部にはアルミ製の細いプレートを入れているが、同社の登山用リュックと同じものだという。
このバッグを開発した担当者は、具体的な購入シーンとして「子どもが成長してサイズが合わなくなったから買い換えよう」「高学年になった子どもが、別のバッグで通学したいと言い出した」「通常のランドセルは重たいので、1年生になる子どもに背負わせるのはかわいそう」「せっかく高いランドセルを買っても、子どもが汚したり壊したりしたらどうしよう」を挙げる(出所:ワークマンが8800円「ランドセル」発売! 防弾チョッキと同じ生地 ワークマンらしさはどこにある?)。
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