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60歳の「神戸ポートタワー」が生まれ変わった 集客力を高めるために“仕掛け”あり

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月26日 9時40分

 展望フロアの運営を担うフェリシモの経営企画室 広報部部長の吉川貴志氏は、「ポートタワーに登ったのは一度だけ、あるいは登ったことがないという方もいる。今後は、いかにリピートしていただくかを考えていきたい」と語る。

 入場者数を増やすために、どんな仕掛けを用意しているのか。インバウンド対策も欠かせない要素のひとつだ。関西圏の訪日外国人数を見ると、京都や大阪に比べて兵庫は少ないが、今回のポートタワーのリニューアルを皮切りに、5月には神戸市で「世界パラ陸上」を開催し、6月には「須磨シーワールド」(神戸市須磨区)を開業するなど、観光関連での需要喚起が期待されている。

 コロナ禍で激減したクルーズ船による訪日も、徐々に回復傾向にある。国土交通省港湾局が発表した2023年の訪日クルーズ旅客数と国内港湾へのクルーズ船寄港回数を見ると、神戸港は91回(前年57回)だった。「ポートタワーも寄港地の目の前にある。乗船客の観光地として選ばれるように神戸市とも協力していきたい」(吉川氏)

 また、今回のリニューアルで夜間の営業時間を従来から2時間延長し、午後11時までとした。「ナイトタイムエコノミーの観点からいうと、地方の観光地では夜を楽しむところがまだ少ない。昼も夜も楽しんでほしい」という狙いだ。

 フェリシモは、展望フロアのコンセプトとして「brilliance-赫き(かがやき)-」を掲げている。「神戸ポートタワーが赫(あか)く輝くと同時に、訪れた人が輝きを増すような仕掛けを随所に散りばめた」という。

●屋上デッキの開放とフロアが回転するカフェ

 今回のリニューアルで最も注目されるのは、初めて開放された屋上デッキだ。神戸の眺望や夜景を360度楽しめるガラス張りの空中回廊で「ブリリアンス ティアラ」、つまり女性用のかがやく頭飾りをイメージしている。

 屋上から5階に降りると、室内展望フロアが広がる。複数箇所のフォトスポットを設置した。夜の貸切フロアとして利用することも可能だ。

 展望フロア4階は、光をテーマとするミュージアムとした。「赫き」をテーマに、神戸のモチーフを散りばめたネオン風アートや、壁に手を触れると花火が上がる仕掛けの壁など、来場者の体の動きに合わせて変化するインタラクティブアートを展示している。アートを際立たせるため、外からの光は取り込まず、日中も暗くしている。

 展望3階には、フロア自体が360度回転するカフェ「レディーゴーラウンド」をオープンする。約30分で1周し、飲食店利用時の1時間で2周する仕様だ。

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