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ドンキの“固すぎる”Tシャツがじわじわ売れている 開発者が生地の厚みにこだわったワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月6日 8時0分

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どんなTシャツなのか(提供:ゲッティイメージズ)

 ドン・キホーテのユニークなTシャツが、じわじわ売れている。2023年11月に発売した「エレファントTシャツ」(3289円)は、生産の遅れから発売日が約2カ月ずれ込んだため、当初は苦戦していた。しかし、今年に入って消費者の認知が少しずつ広がり、直近の売り上げは販売計画と同レベルで推移。開発を担当したPB企画開発部の向剛史さんは「今後さらに伸びていく」と期待を寄せている。

 エレファントTシャツは、ヘビーウェイトTシャツの一種だ。ヘビーウェイトTシャツとは、生地が厚く丈夫で型崩れしにくいTシャツのこと。生地が厚いため、お腹周りなどボディーラインを気にせず、インナーなしでも着ることができる。

 首元はクルーネック(丸く詰まったデザイン)タイプで、カラーはホワイトとブラックの2色展開。サイズはM、L、LLの3種類を用意した。現在は長袖のみだが、今後半袖を追加する予定だという。

 ヘビーウェイトTシャツの特徴は生地の分厚さであるが、その中でもエレファントTシャツは群を抜いている。一般的なヘビーウェイトTシャツは6~7オンス(重さを表す単位であり、これにより生地の厚みが分かる)だが、エレファントTシャツは13オンス。パーカーとほぼ同じ厚みがあるのだ。

 向さんはヘビーウェイトTシャツの愛用者であるが、通常のヘビーウェイトTシャツに物足りなさを感じていたという。「さらに生地を厚く、固くしたら、ヘビーウェイトTシャツの良さをより生かせるのではないかと考えました」

 向さんは周囲のヘビーウェイトTシャツ愛用者に、「ヘビーウェイトTシャツの生地を厚くして、さらに固くした方が良いと思うか?」と聞いて回ったという。その結果、ほぼ全員が「肉厚でガチガチに固いのが欲しい」と答えたことから開発に着手した。

●社内からは反対意見も

 開発時、徹底的に肉厚で固いヘビーウェイトTシャツを目指したという向さん。加工で生地自体を固くする方法もあったが、固さを長期間持続させるため、原料である糸を生かす方法を探したという。

 しかし、製造を手掛ける協力会社にとって、こうした試みは初めてのことだった。そのため、なぜ生地を肉厚で固くする必要があるのか、を理解してもらうことに苦労したという。また、多くの糸を使用する分コストも高くなるため、社内からは反対意見もあった。こうした声に対して、「より生地が肉厚で固いヘビーウェイトTシャツにはニーズがある、と説得し続けました」(向さん)

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