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原宿は若者と文化を取り戻せるか 新ランドマーク「ハラカド」オープン 施設内に銭湯、ハラッパ、角打ちバーの狙い

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月5日 7時11分

●人気の銭湯「小杉湯」が出店

 ハラカドの全テナント中、最もユニークといえるのは、地下1階にある銭湯「小杉湯原宿」だろう。東京・高円寺にある小杉湯は、戦前の1933年に創業した老舗の銭湯で、建物は国登録有形文化財に登録されている。

 3代目の平松祐介氏は、ベンチャー企業の経営などを経て2019年に家業を継ぎ、銭湯から街作り、モノ作り、コト作りを発信する「銭湯ぐらし」のプロジェクトを立ち上げた。隣接地には、会員制シェアスペース「小杉湯となり」をオープンするなど、近年における銭湯復活の流れの中心人物の1人となっている。

 小杉湯原宿の広さは高円寺とほぼ同じで、高円寺と同様に「ミルク風呂」を用意。熱湯と水風呂を交互に入る「温冷交互浴」を楽しめるようにした。サウナは設置していない。利用料金は通常の銭湯と同じ、520円(大人)。ただし、5月12日までのプレオープンでは渋谷区神宮前1~6丁目の住民または勤務者のみに開放している。

 小杉湯原宿では、原宿の地に銭湯を復活させるだけでなく、銭湯を利用しない人でも自由に入れる、銭湯前の「チカイチ」と称するスペースで、美容家電のお試し、生ビールの提供を行う。畳などの休憩スペースを広く取り、人々が休憩できるだけでなく、イベントも開催する。

●飲食フロアの工夫とは?

 5~6階は「原宿のまちの食堂」をテーマとした飲食フロアだ。両階ともに緑豊かなテラス席を有し、7階の屋上テラスを含めて約860坪に23店が集積している。5階は横丁のような雰囲気で店が軒を連ねるレストラン街だ。原宿では少なかった、日常的に通いたくなる店を意図的に集めている。

 かつて、銭湯の前には、湯上がりに1杯飲める屋台や居酒屋があったものだが、地下1階の銭湯と連動させた飲食店のあり方を提案するものとして、面白いのが「居酒屋スタンド ジャンプ」だ。東京・代々木上原にある1978年創業の老舗居酒屋「ジャンプ」が母体で、安価なセットも提供している。

 地元で1966年から営業しており、ランチ時は行列になる町中華「紫金飯店」も出店しており、名物の「玉子炒飯」などを提供する。その他に、人気ラーメンチェーンの「一風堂」、回転寿司の「まぐろ問屋恵み」など、若干高めではあるが、銭湯帰りに寄ってみたくなるような店がいくつもある。

 韓国・ソウルで人気のフライドチキン「カンブチキン」が、日本1号店を出店したのも話題となった。吉祥寺の「ハモニカ横丁」を人気エリアにした、ビデオインフォメーションセンターが、建築家・隈研吾氏による奇抜なデザインで、ローストチキンと焼鳥のスタンディングバル「トーキングゴリラ」を出店するなど、お洒落なストリートフードに振った店も多い。

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