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「自分は知っている」は思い込み――山中哲男氏が「経営者こそ相談すべき」と語るワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月9日 7時5分

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その情報は「賞味期限が切れているかも」

 「相談する」と聞くと、若手が先輩に聞くイメージを持ちがちですが、実は成功体験を多く踏んでいる経営者やリーダーにこそ必要なスキルです。役職が上がると必然的に現場から離れることが多く、“現場感”がなくなるためです。皆さんも、経営者やリーダーに対して「この人、現場感がないなぁ」と思ったことがあるのではないでしょうか。

 私はその理由として「事実には賞味期限がある」ためと考えています。かつて体験して得た一次情報が十分にあったとしても、想像以上に時代や環境、ニーズの変化は激しいのです。

 誰しもが「自分は知っている」という思い込みを捨て、一次情報を更新し続ける必要があります。特に経営者やリーダー層にとって、この「一次情報の賞味期限切れ」は大きな問題となります。会社が大きくなればなるほど現場から離れ、一次情報が不足している中で意思決定が求められるためです。

 相談上手な経営者やリーダーたちは、企業規模が大きくなっても現場感を持ち続けています。だからこそ自身の成功体験や失敗体験に縛られない意思決定ができ、現場のリアルな実態をつかんでいるため話も面白いのです。経営者になっても自ら現場に足を運び、担当者に相談するプロセスを実践しているのです。

 現場との乖離は経営者に限らず、どんな人でも役職が上がれば起きてしまいます。一次情報がないと感じたときこそ、相談するタイミングです。

 さまざまな人の話を聞いていると、「いつ相談すればいいか分からない」という声を多く聞きます。そこで今回は、相談すべき3つのタイミング、1.物事が行き詰まらないようにする「予防相談」、2.物事が行き詰まったときの「対処相談」、3.偶然を生かす「種まき相談」について紹介します。

●できるビジネスパーソンが「時間がない」と言わないワケ

 まずは予防相談についてです。当たり前ですが、物事を前に進めるには、できるだけ行き詰まらないようにしなければなりません。そのための相談が予防相談です。

 行き詰まる前、つまり行動を起こす前の構想やアイデア段階のことを私は「見立て」と言っています。未検証の思い付きで良いはずの見立てが1つしか浮かばない場合はかなり危険なサインです。すぐに相談すべきタイミングです。

 物事には、必ず複数の選択肢があるものです。選択肢とは可能性の数です。行動を起こす前の段階では、発想の自由が許されていて選択肢も多いでしょう。にもかかわらず初期の段階で選択肢が1つしか見えていないのは、「この選択肢が良いに違いない」と思い込んでいる場合が多いはずです。可能性を広げるために、このタイミングで相談してみるのが良いでしょう。

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