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43年続く「リアルゴールド」 データを駆使した日本コカ・コーラのリブランド戦略

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 11時44分

43年続く「リアルゴールド」 データを駆使した日本コカ・コーラのリブランド戦略

リアルゴールドのブランドを統括する河合和人ディレクター

 2010年代以降、エナジードリンク市場が伸び続けている。市場調査会社のインテージの調査によると、2022年の国内市場規模は前年比7.5%増の887億円を記録。2017年比では約1.7倍の伸びとなっている。

 世界的に見てもエナジードリンク市場は拡大基調にある。市場調査会社、グローバルインフォメーションの調査によると、2022年の市場規模913億4800万米ドルが、2030年には1665億9000万米ドルに達するとの予測が出ている。実に1.8倍もの成長だ。

 その一方で、相対的に減っているのが栄養ドリンクだ。特に栄養ドリンクの代表製品と言える、大正製薬の「リポビタンD」を見てみよう。ピーク時の2000年度には売上高が797億円だったのに対し、2023年度は293億円と、60%以上も減らしている。苦境の要因には、エナジードリンクの攻勢だけでなく「ファイト一発」などといった体育会的、熱血なフレーズが時代にそぐわないこともあるのかもしれない。

 こうした時代の変化を受けて、リブランドを進めているのが「リアルゴールド」だ。リアルゴールドは日本コカ・コーラが1981年に発売した飲み物で、当時は瓶入り商品だけで展開していた。容量も140ミリリットルと小容量で、栄養ドリンクを意識していた飲み物だ。

 実はコカ・コーラ、カナダドライ、ファンタといった同社が展開する炭酸飲料のうち、リアルゴールド以外のロングセラーはどれも海外発のブランドだ。リアルゴールドは日本発の炭酸飲料として、40年以上にわたって続いている。しかし、2024年時点で海外への展開は行っていないという。ちなみに炭酸飲料以外では、缶コーヒーのジョージアが1975年から日本発の半世紀近いブランドとして展開している。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

●日本発の炭酸飲料 競合との「究極の違い」とは?

 そんなリアルゴールドも、エナジードリンクの攻勢によってブランドの転換を2022年に実施している。リアルゴールドのブランドを統括する河合和人ディレクターがこう話す。

 「リアルゴールドは2022年2月に大きくリブランドしました。それまでは40~50代の働き盛りの男性をメインターゲットに、働く人の元気をサポートしてきましたが、自分らしくより楽しいライフスタイルを充実させていくための飲み物としてブランドを刷新しました。また、栄養ドリンク的なイメージから、“楽しく生きるためのエナジー”を与えるドリンクとして打ち出すようにしました」

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