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自分のキャリアに「納得」するために必要なものは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月4日 7時20分

 ちなみにこの25年間、私たちの「働く」を取り巻く環境は大きく変化した。大きなくくりだけ抽出しても、氷河期、非正規雇用の増加、ハラスメント対策、育児介護、ワークライフバランス、働き方改革、兼業副業解禁の増加、コロナ禍によるリモートワーク、服装のカジュアル化(脱スーツ)……。

 元号も平成から令和へ。組織の命令が絶対的だった時代から、個人の意思が尊重される時代に変化した。ブラック企業は淘汰されつつあり、いかに働きやすいか、働きがいのある組織かをどの企業も競い合っている。

 こうした変化に対応しながら、売り上げや実績などを積み上げてきたのが現在の管理職世代だ。働いている当事者として「本当にいろいろあったよね」とねぎらい合ってほしいほど、世の中は急激に変化した。生成AIの進化もあり、さらにこの変化のスピードは増していく。それぞれの世代が世の中の激しい変化の影響を受ける中で、結婚や育児、介護、自分の時間の確保やスキルアップなど、自分の人生を築き上げることにも精一杯なのが現実だ。

 そうした自分自身の将来を考えるにあたって、若手以外の層が「この職場で働き続けることは、果たして自分にとって幸せなんだろうか」「この仕事を続けることが、自分にとってよいことなのか」と考えるのはとても自然なことだ。

 そうした意味で、「職場」の重要性は言わずと知れている。マズローの5段階欲求にもある「社会的欲求(所属の欲求)」にもつながるが、今いる場所が自分の居場所として適切かどうかを個人は判断する。適切だと判断すれば、そこで働く選択をする。自分が居続けている場所が、誰かに「適切でない」と判断されるのは悲しいし、居場所が活気づくとうれしいのは自然な感情だ。そうした「職場」でありたいと誰もが思っている。

 「キャリア」を人生の中での職業の連鎖と考える場合、個人がどのようにそれを築き上げるかも大事だが、今いる居場所を魅力的であり続ける努力も、その居場所の一員として必要なのだろうと思う。

 自分自身が「納得」して働くためにも、居場所の活性化は必要なのだ。そしてそれは、管理職や若手といった階層関係なく、一緒になって「いい職場」をつくり上げようという気持ちを擦り合わせることから始まる。

 つい普段の仕事の割り振りの癖で、これは管理職の仕事、これは人事の仕事、と役割分担しがちだが、職場改善は一つの職種や役職でできるものではない。その職場にどんな人たちがいてどう思っているかを確認しながら進めるコツコツした仕事でもある。

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