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「ソリューション営業」終焉 新たな勝ち手法「インサイト営業」を実践する5つのステップ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月8日 8時0分

 そのうえで、ターゲット顧客にとって、将来的にどのような問題が起こり得るのか、そのためにどのような課題を解決しなければならないのかという視点で仮説を立てていきます。単純に先進企業の戦略や施策のコピーではなく、その顧客にとっての固有の課題を考え抜く姿勢が重要になります。

STEP3:インサイトの提示と当事者意識の醸成

 STEP2で考え抜いたインサイトを提示し、顧客に自分たちの問題として当事者意識を持ってもらいます。提示したインサイトは、顧客のビジネスにどのような影響を与えるのか、どんなリスクがあるのか、施策によってどれくらい改善できるのかを、数値データを用いて丁寧に説明していきます。

 ここでは、売りたい製品やサービスが解決するソリューションを提案するのではなく、顧客との深い対話を通じて、課題やニーズを理解して異なる視点で課題を指摘し、抜け漏れていた視点を提案していきます。顧客に「言われてみればそうかもしれない。その視点は考えてなかったわ」と思わせることが大切になります。意外な着眼点で顧客を驚かせるといったところでしょうか。

 そのうえで、当事者意識をもってもらうために、仮にその課題を放置した場合にどうなるのか、今着手した場合にはどんな未来が待っているかなど、顧客を主語としたストーリーを展開していきます。その際、競合の成功事例のみならず、失敗事例をケーススタディーとしてまとめて、その解説をすることも有効です。成功事例は聞き飽きていますが、失敗事例はなかなか世に出ていなかったりしますので、有益な価値のある情報になります。

STEP4:ソリューションの展開と懸念払拭

 STEP3で提示したインサイトに対して顧客が当事者意識を持った段階で、その課題解決に適したソリューションを提案します。製品やサービスのみならず、顧客のビジネスモデルを強化するための戦略的なアドバイスも含んだ提案に仕上げることがポイントです。STEP3で顧客と合意した課題は、自社と顧客との間で握った新たな課題になるため、そのタイミングでは、同じ課題に着目した競合がいない状況になります。商談を優位に進めることができるという理屈です。

 その後は、顧客のバイヤージャーニー(購買プロセス)に応じて、導入・運用部門、利用ユーザ部門などの関係キーパーソンと対話を深め、懸念事項を払拭、受注につなげます。つまり、顧客担当部署の社内合意形成を支援していく活動をしていきます。

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