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「ソリューション営業」終焉 新たな勝ち手法「インサイト営業」を実践する5つのステップ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月8日 8時0分

STEP5:継続的な顧客エンゲージメント

 STEP4でソリューションを販売した後も、継続的にその進捗や新たな課題のためにフォローしていきます。導入はエンジニア、その後はカスタマーサクセスの役割というように機能別になっている組織も多いと思いますが、営業も売ったら売りっぱなしではなく、進行中のプロジェクトにおいて必要に応じて調整を行い、最適な結果が得られるよう努力していきます。

 顧客からのフィードバックを積極的に収集し、改善点を洗い出していくことで、顧客との関係をさらに強化することができます。一度きりの取引で終わりにすることなく、定期的な対話を通じて顧客のビジネスの変化や連続的な新たな課題を把握し、それに応じた新しいインサイトやソリューションを提供し続けることが重要なのです。

 単なる売り手と買い手の関係からビジネスパートナーとして認めてもらうことを目指して、顧客の事業成長を共に考え、支援していくことに重点を置いていきましょう。このアプローチにより顧客との関係は一過性のものではなく、持続可能なパートナーシップへと進化し、お互いにとって価値のある深い結び付きを生むことが可能となります。

●これからの時代、営業は「チーム戦」に

 いかがでしょうか? 「ハードル高すぎ」「そんな簡単じゃないよね」という声が聞こえてきそうですが、これは担当営業1人で実行するものではありません。営業組織としてチームで展開していくことが成功するポイントとなります。

 意思決定者のみならず、意思決定者に影響を与えるインフルエンサー、運用部門やユーザー部門などの関連部門の上層部も押さえる必要があります。そのような意味では、担当営業は、営業部長や役員などの上司を巻き込み、過去の経験や知見からの洞察も加え、顧客のステークホルダーを説得していくことが肝要です。同じ提案内容であっても、上層部同士が共感し合える場は、とても重要になります。

 ここまでいろいろと解説をしてきましたが、筆者自身も失敗したことがあります。

 インサイト営業は、平たく言えば「お客さんが認識している課題も重要ですが、あなたの会社の事業を成功させるには、こちらの課題を解決すべきではないでしょうか?」と上から目線な、マウントを取るような営業スタイルになりかねません。

 営業部長だった頃、某大手製造業のITインフラ基盤刷新案件を担当していました。既存システムは大手SIベンダーががっつり押さえていて、ハードウェアをベースとした既存システムの延長上の提案内容が優勢な状況でした。このまま同じようなシステム提案をしたところで勝ち目はないと判断した私は、RFP(提案依頼書)を書くことになっている同社の情シス子会社へアプローチして「ご依頼の内容で提案することもできますが、御社のゴールを達成するには、私どもの提案の方が良いです」と上から目線の提案をしました。

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