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休日に業務連絡「気になるけど返せない」が一番危険? 「つながらない権利」の実現性は

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月8日 7時10分

●「つながらない」を実現する 3つのアイデア

 研究結果から分かるのは、そもそも業務時間外の連絡を気にせず放っておける人もいれば、気になる場合にも、対応してスッキリできる人、嫌々ながら仕方なく対応する人、他の事情で対応できない人がいるということだ。

 ここからは筆者の推測だが、「気になるけど対応できない」人たちは、周囲からは「気にせず放っておける」タイプと見なされていることもありそうだ。「急を要するから連絡してるのに、空気読まないよね」とか、最近話題の「子持ち様」だから甘えているなどといわれることを恐れ、肩身の狭い思いをしている人たちも多いのではないだろうか。

 そのような可能性も考えると、やはり業務時間外の連絡は抑制すべきだと思う。「つながらない権利」の法制化を待つまでもなく、まずは職場でのルール作りが望まれる。

 「でも、対応しないと顧客に迷惑を掛ける」「仕事が回らない」といった事情をどうするか。筆者としては次の3つを提案したい。

1.不必要につながらないためのルールと仕組みづくり

 どんなことが業務時間外にやりとりされているのかを洗い出し、「これは業務時間内にやればよい」「これは夜や休日でも連絡が必要だね」ということを分ける。

 前者については業務時間外は連絡しないというルールを明確にする。そして責任者の名前で、社内外にきちんと通達をする。

 顧客からの連絡については、会社として「担当者個人は時間外の連絡は受けない。何かあれば代表の顧客対応窓口へ」といったお願いを明確にすることで、ある程度抑制されるだろう。

 社内で「休日に思い付いたアイデアをチャットで送ってしまわないと逆に気になる!」というタイプの人のためには、休み明けに送信されるようタイマー機能を使う、時間外はチャットの通知がオフになるようにするなど、ツールを上手に使う方法も周知するとよいだろう。

2.必要な連絡に対処する体制づくり

 業務時間外に対応する必要があることも、例えば問い合わせ対応ならチャットボットを導入するなど、なるべく人力での対応を減らす方策を考える。

 人がやらざるを得ないこともチームで対応し、特定の人に負担が偏らないようにする。また、「連絡があったらすぐに対応できるように」と待機させるなら、そのための手当を払うことも考えるべきろう。

3.互いの人生を尊重し合う職場の雰囲気作り

 休日でも仕事のことを考えていたい人もいれば、それどころではない人もいる。職場の多様性が増すほど、仕事との距離感や仕事以外の時間の過ごし方は人それぞれだ。

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