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日ハム、JAL……他業種の「銀行サービス」参入が加速 一方「証券サービス」は鈍化、なぜ?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月18日 6時25分

日ハム、JAL……他業種の「銀行サービス」参入が加速 一方「証券サービス」は鈍化、なぜ?

(提供:ゲッティイメージズ)

 近年、銀行業界への異業種参入、いわゆるBaaS(Banking as a Service)が盛り上がっている。かつてはプレーヤーに数えられるのは伝統的な銀行のみだった業界だが、フィンテックの台頭や規制緩和の波を受けて、異業種からの進出が顕著になっている。

 楽天銀行のソリューションを活用することで、預金額に応じて運賃の割引を受けられる新しい銀行サービスを提供する「JRE銀行」の事例が記憶に新しい。当日は申し込みが殺到し、口座開設案内のメールの配送遅延が発生するほどの人気ぶりだった。

 同様に、住信SBIネット銀行も「NEOBANK」というブランドでJALペイメント・ポートやヤマダデンキ、北海道日本ハムファイターズの興行業務を行うファイターズ スポーツ&エンターテイメントといった異業種からの銀行業参入をサポートしており、銀行業務のサービス化が止まらない勢いだ。新規参入者に対する規制が緩和されることで、従来の銀行業務にとらわれない新しいビジネスモデルを持つ企業が、テクノロジーの力を借りて参入可能な土壌が整っている。

 2010年代中盤ごろから注目されてきた「フィンテック」は、直近の円安や金利上昇といった経済動向への関心の高まりも相まって、ようやく本格的な普及期に入っている。最新のテクノロジーを駆使して効率的な金融サービスを提供することで、異業種からの参入者は従来の銀行業務と差別化を図り、顧客に新しい価値を提供できる可能性が高まっている。

●一方、証券業への異業種参入は下火──原因は?

 一方、証券業界への異業種参入は停滞している。目立った例といえば、2018年の丸井グループによるtsumiki証券と、2023年のドコモのマネックス証券買収くらいだ。日経平均株価が一時バブル期のピークを超え、現在も高水準を維持しているにもかかわらず、異業種の証券業参入は下火になっている。

 背景には、証券業界特有の市場環境や規制、新NISA(少額投資非課税制度)の影響がある。新NISAの導入により、個人投資家の投資枠が最大1800万円に拡大された。これにより、多くの個人投資家が証券会社の収益の柱であった取引手数料を払わずに済むようになり、証券業界全体の手数料収入が減少している。

 証券会社はかつて、NISA口座の売買手数料を無料にすることで顧客を引き込み、そこから特定口座や信用取引に移行させることで収益を確保していた。しかし、新NISA制度により、ほとんどの顧客が手数料のかからないNISA口座で資産形成を完了するようになり、収益の確保が難しくなっている。

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