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「290円ラーメン」終売でもまだまだ安い幸楽苑、なぜコロナ禍が明けても不調が続いているのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月29日 6時30分

 ロードサイドの主要客である、ドライバーやエッセンシャルワーカーの行動範囲は意外と広い。筆者は前職でドライバーや職人と関わることが多く、彼らの話を聞くところによると、ランチでは話題店を求めて本来通るべき国道と平行する道を選んだり、30分遠回りしたりすることもあるという。

 そんな中で、幸楽苑はラーメン単品で800円以下、ランチセットは1000円以下のメニューもあり、低価格帯である。だがかつての290円ほどのインパクトはなく、醤油・塩・味噌の3種類からなるメインのラーメン類は個性が薄い。新興勢力も安価なランチメニューを提供しているだけに、幸楽苑の魅力が薄れてしまったと考えられる。

 同社は2025年3月期売上高を前年度と同水準の260億円と予想している。不採算店の閉鎖で営業利益は大幅増の6億円を見込むが、上記の通り客足は戻っていない。都市部の駅前と違い、立地のメリットが比較的小さいロードサイドはなおさら価格と味で勝負する必要がある。幸楽苑の業績はロードサイドの厳しさを如実に伝える事例といえるだろう。

●著者プロフィール:山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。

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