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公式アップデートはもう不要? 「低コスト型ERP」の運用方法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 11時40分

 私のチームで「サポート期間は何年何月までにしましょう」と発表するたびに、顧客からはいろいろなクレームが上がってきました。その内容は「そういったニーズはありません」「費用対効果が悪い」といったものでした。

 さまざまな意見を聞いて痛感したのは、たとえ大企業であっても、ヒト・モノ・カネ・時間といったものは無限にあるわけではなく、IT投資の効率性を上げたい強いニーズがあることでした。

 一方のソフトウェアベンダーにとっては、私のいたピープルソフトを含め、やはり利益を生まねばならないということでアップグレードを勧めている背景はあります。そこには決算期などの思惑も重なりますから、ソフトウェアベンダーがアップデートを決めるタイミングは顧客にとって都合のいいものではなく、ベンダーの戦略にとって都合がいい部分もあります。こうした事情は今のユーザー、企業の方々もだんだん気付いていると思います。

――ベンダーの方針に従うことが、企業にとって必ずしも最適なコストパフォーマンスとは限らないわけですね。

ラヴィン: リミニストリートが顧客とまず話をするのは、費用対効果の話です。われわれは決して自分たちのサービスを売り込むビジネスモデルではなく、顧客の現状を聞いて、このソフトウェアベンダー、SIerであればこういうプランで、われわれだったらこういうプランだと比較して考えてもらいます。「御社の事業の価値を創造するためにはどちらがいいですか」を顧客に決めてもらっています。

 約20年間企業と接していて思うのは、企業は必要性があればどんどん変わるという点です。それは日本のような保守的な市場でも例外ではありません。日本でも実感したのは、コロナ禍前は電子サインによる契約はまずなかったのですが、今では70%の顧客が電子サインに移行しています。かつて日本の企業ではなかなか電子決裁は難しいと言われていましたが、すぐ変わりました。これは、日本の企業が今までERPにかかっていた保守コストを節約することで得た資金を、新しい稟議決裁システム、電子署名システムに投資できたからだと考えています。

●ベンダーがアップデートを要求する理由

――ソフトウェアベンダーがアップデートを要求する一番の理由が、セキュリティ面だと思うのですが、こうした問題はどのように対処しているのでしょうか。

ラヴィン: 確かにソフトというのは、それらが開発された当時はなかったセキュリティリスクが浮上してきます。ソフトウェアベンダーはそれをアップデートによって対処しようとするわけですが、われわれはそのリスクをカバーするために、顧客の既存のシステムでセキュリティを保護できるプロダクトを提供しています。その種類は幅広く、従来のレガシーのバージョンから最新のバージョンまで最先端のセキュリティを提供できます。

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