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富士通の27歳エース社員、1年目で花形部署に異例のヘッドハント 信条は「3カ月で成果出す」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月19日 7時40分

 「この案を出すにあたり、社内の有識者と価値を提供できるサービスになっているかについてディスカッションしたり、社内の営業経由で飲食店経営者にヒアリングしたりしました」

 時流に合致した共感性の高い課題設定が評価されたのはもちろん、それ以上に、エビデンスを収集する力と、課題設定からソリューション提案を1~2カ月で成し遂げた点が高い評価を得て、社内でも注目度の高い部署にヘッドハンティングされた。

 部署異動後、東京都が社内ハッカソンと似たテーマでハッカソンを開催することを知り、参加することに。「事業の卵」をビジネスとして継続させるために行政を巻き込んだ提案にブラッシュアップした。

 約4カ月という期間の中で提案を磨き、60チームの中からファイナリストの5チームに選出された。しかし、実現可能性の観点からサービス化は断念。その理由を、寺島さんは以下のように話した。

 「サービスとしての理想の形をディスカッションする中で、行政にヒアリングをしたり、調査をしたりしました。結果、現段階の行政の仕組みでは実行が難しいことが分かりました。行政には、まだまだ縦割り文化が残っています。そこが変わらないと実現しないモデルで考えていたので、実現までにかなりの時間がかかってしまうと思いました」

 サービス化には至らなかったが、行政からは「新規出店のハードルが下がる魅力がある」「行政のオープンデータを活用するということで、飲食店と都の新しい関係づくりの可能性を感じられた」といった好評を受けた。

 寺島さんは、濃密だった新卒1年目を「全部楽しかった。自分が社会に貢献できる実感を持てた」と振り返りつつ、自身の課題にも触れた。

 「今の世の中で何か課題を解決するには、ビジネスとして成立させる必要がある。そうしないと、本当の意味での課題解決につながらないと学びました。また、今回のチャレンジを通してデータが持つ価値を再認識できました。データの力で解決できる問題があることが分かったので、今の部署で引き続きデータ分析をやっていこうと思いました」

●「3カ月で成果出す」 なぜこだわる?

 その言葉通り、寺島さんは現在もDI Platform事業部で顧客のDXに向き合っている。業界や業種によってDX課題は異なるため、顧客にヒアリングしながら課題を特定し、データを踏まえた分析やプロダクトを開発する。

 冒頭で紹介したように、寺島さんは3カ月で成果を出し、別のプロジェクトに移るというゼロイチの役割を部署内で担っている。

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