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熱心な指導とパワハラの境界線が「正直分からない」と悩む上司へ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月27日 8時25分

 つまり、パワハラが発生する根本原因は「もうかるビジネスを営めず、コンプライアンスを確保できるほどの余裕が持てない経営者とマネジメントの問題」といえるだろう。

 逆に言えば、組織内のメンバーが安心してコミュニケーションをとれる環境となれば、お互いの心理的安全性が高まり、情報共有がスムーズになり、職場に前向きな空気も生まれ、新しいアイデアも生まれやすくなることだろう。それによって、メンバー間と組織間における愛着が高まり、主体的な貢献意欲(エンゲージメント)が生まれる効果も期待できる。

 ちなみに「心理的安全性」は、ハーバードビジネススクールで組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念であるが、教授は管理職が心理的安全性を高める方法として以下の点を挙げている。

・目の前で展開されている会話に集中する、話をするときは相手と目を合わせるなどを心がけて積極的な姿勢を示す

・相手の発言を要約して繰り返す、否定的な表情・姿勢に注意するなどを心がけて理解している姿勢を示す

・部下の努力に対して感謝の言葉を伝える、部下のために時間を割くなどを心がけて1人の人間として相手を受け入れている姿勢を示す

・部下の話を妨げない、方針決定の理由を説明するなどを心がけて意思決定の過程に相手を受け入れている姿勢を示す

・異なる意見がある場合は反論を促す、失敗談を部下に伝えるなどを心がけて強情にならないように意識しつつ自信・信念を持つ

 部下や後輩を持つ社会人は、心しておくべき内容だといえよう。

 ぜひ、普段の職場内コミュニケーションでも実践されてみてはいかがだろうか。身近なところから心理的安全性を確立し、ハラスメントのない組織を実現してほしい。

著者プロフィール・新田龍(にったりょう)

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役

早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。「労働環境改善による業績および従業員エンゲージメント向上支援」「ビジネスと労務関連のトラブル解決支援」「炎上予防とレピュテーション改善支援」を手掛ける。各種メディアで労働問題、ハラスメント、炎上トラブルについてコメント。厚生労働省ハラスメント対策企画委員。

著書に『ワタミの失敗~「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造』(KADOKAWA)、『問題社員の正しい辞めさせ方』(リチェンジ)他多数。最新刊『炎上回避マニュアル』(徳間書店)、最新監修書『令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全』(KADOKAWA)発売中。

11月22日に新刊『「部下の気持ちがわからない」と思ったら読む本』(ハーパーコリンズ・ジャパン)発売。

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