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サクラクレパスの「こまごまファイル」が“想定外”のヒット、なぜ?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月1日 8時10分

サクラクレパスの「こまごまファイル」が“想定外”のヒット、なぜ?

サクラクレパスの「こまごまファイル」が人気

 文具メーカーのサクラクレパス(大阪市)が販売する収納アイテムが人気を集めている。4月下旬に発売した「こまごまファイル」(847円)は、約1カ月で年間目標の約半分が売れた。背景にあるのは、当初の商品コンセプトとは異なる提案がSNS上で話題になったことだ。同社の営業本部マーケティング部広報の大塚さゆりさんに話を聞いた。

 「こまごまファイル」は、2021年11月に発売した「おかたづけシリーズ」の新商品で、小さな子どもでも簡単に、折り紙やシール、メモ、カードなどのこまごました文房具を収納できるポケットファイルだ。

 同社が保護者を対象に実施した調査によると、子どもの片付けで困っているものとして、「折り紙・紙・シール」が目立った。そこで、使いたいものが一目で選べて、取り出しやすく、片付けやすい仕様の商品を企画。同シリーズのコンセプトである「しつけ」ではなく、楽しみながら自分で片付けをしたくなるような商品として、整理収納アドバイザー水谷妙子氏監修のもと開発した。

●「子ども向け」商品として企画・開発

 「シールや折り紙などで遊ぶ際、子どもは全部出してしまう。散乱するため、子どもだけでは片付けも難しい」という悩みを持つ保護者が多いと大塚さんは語る。

 商品の企画は子育て中の女性社員が担当した。未就学児が一人で中身を出し入れでき、使用後に片付けができる仕様はどのような形状なのか。実際に子どもたちに使ってもらいながら試作と改良を重ね、製品が誕生した。

 「こまごまファイル」は、最大20センチ開く「じゃばら式」になっており、6つの幅広ポケットがある。商品名にある通り、こまごまとしたものを収納できるだけでなく、中身を一覧できる仕様になっている点が特徴的だ。

 また、面ファスナー付きでコンパクト(背幅が3.5センチ)に閉じることができ、かつ自立するため収納グッズとしても場所を取らない。そのほか、ハンドル部分を持てば持ち運びも可能で、鞄にも十分収まるサイズといえる。カラーはホワイト、サイズも1パターンのみで展開している。

 同商品は、発売から約1カ月で年間販売目標数の半分が売れ、Amazonでは入荷に1カ月以上を要する(5月下旬)。同社の公式オンラインショップではオープン以来、一番の販売数を達成した。売り上げが拡大したきっかけは、X(旧Twitter)の投稿だった。

 「一般ユーザーのレビュー投稿がバズり、それに対して当社の公式アカウントから『大人も使い勝手があります。みなさんなら何を入れますか』の問いを立てたところ、アンサーを含めたリポストが多く集まった」

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