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ぷかぷか、ふわふわ! なぜ「未来のレモンサワー」からレモンが浮かんでくるのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月4日 6時40分

 課題をひとつ解決しても、想定外のトラブルが続く。やっと手に入れたレモンが輸送中にほとんど割れたり、保管中にカビだらけになったり。温度は何度がいいのか、湿度はどのくらいがいいのか。そうした問題をひとつずつクリアして、ようやく商品が完成したのである。

 完成までに時間がかかった理由を紹介したが、これらのうちひとつでもうまくいかなかったら、新商品は完成していなかった。いわば綱渡りのような状況だったにもかかわらず、なんとか渡り切ってハレの舞台を迎えることになったのだ。

 未来のレモンサワーは6月11日に発売する。首都圏・関東圏エリアの1都9県にて数量限定で扱う。「工場で製造された商品は、すでに予約注文でなくなりました」(山田さん)とのことなので、開発メンバーはほっと胸をなでおろしているに違いない。……と、ここまで読んで勘の鋭い読者はピンときたかもしれない。

 「なぜエリアを限定しているのか、なぜ数量を限定しているのか。ひょっとして、大量生産ができないのでは?」と。現状、未来のレモンサワーの最大の課題は「数」である。出荷分がすべて売れているのであれば、じゃんじゃんつくればもうかるはずである。それをしないのではなく、できないのである。その要因は、レモンの調達だ。

 「数を優先して、品質を落とすわけにはいきません。たくさんつくって品質に影響がでてはいけませんので、数量を限定にしました」(山田さん)。となると、気になるのは次の販売である。いまのところ未定だが、年内には販売したいそうだ。

●「未来のレモンサワー」の味

 さて、未来のレモンサワーの味はどうなのか。通常、新商品のリリースには「すっきりとしている」とか「甘酸っぱく芳醇な味わい」などと書かれているものだが、この商品についてはそのような記述が少ない。なぜか。ひとつの言葉で表現するのが難しいからではないかと思っている。

 缶の中には乾燥したレモンスライスが入っていて、そのレモンから少しずつエキスがでてくる。例えるなら、干しシイタケから出汁が出てくるような感じである。製造後、どのくらいの時間がたっているかによって、レモンから染み出すエキスの量が違ってくる。ということは、同じ商品でも飲むタイミングによって味が違ってくるのだ。

 ちょっと先の話になるが、気が早い人は次のフレーバーが気になっているかもしれない。通常、チューハイにはレモンのほかにライム、リンゴ、モモ、ブドウなどがあるので、開発メンバーもそうしたフレーバーを増やしたいようだ。

 だが、しかしである。ここでも原料調達という壁がたちはだかる。衛生面に問題がなく品質が高くて、数を確保できる。こうした条件をクリアしなければいけないので、「じゃ、次はどれにする?」と簡単に話は進まないようである。

 しかし、議論を重ねていく中で、いいアイデアが“浮かんで”くるかもしれない。「あれもいいよね。これもいいよね」といった会話をしているときのオノマトペは、「ぷかぷか」なのか「ふわふわ」なのか。いや、この場合は「ぽんぽん」だな。

(土肥義則)

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