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ラーメン・餃子・生ビール「1000円」の壁を突破! 3年連続値上げ「日高屋」、ロードサイド進出はうまくいくのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月5日 6時30分

 2021年2月期、2022年2月期はコロナ禍が直撃し、業績も大幅に悪化した。日高屋はロードサイド比率が低く、駅前・都市部に出店していたことから人流減少の影響を受け、時短営業や酒類提供の自粛も追い打ちをかけた。テークアウト・デリバリーにも対応したが、麺類という特性上、相性が悪かったとみられる。既存店客数で見ると2021年2月期は前年比で67.9%まで減少し、2022年2月期はさらに9割の水準まで落ち込んだ。

 しかし2023年2月期には客数が前年度比で29.0%増え、2024年2月期にはさらに18.4%増加。コロナ前と比較して全体の客数は減少しているものの、客単価の増加もあって売上高は以前の水準を上回っている。後述するように値上げを続けているが、それでも1000円を出せば満腹感を得られるほど食事でき、夜はちょい飲みも楽しめる。飲食チェーン各社による値上げが相次ぐ中、日高屋の割安感が高まったことが、客数増の要因として考えられるだろう。

●3年連続で値上げも、まだまだ安い

 値上げラッシュの例に漏れず、日高屋も近年は値上げを実施している。それも3年連続でだ。5月末の価格改定では約80商品を10~60円程度値上げした。以下に2022~24年における3回の値上げによる価格推移の例を示す。

とんこつラーメン:450円→470円→480円→490円

野菜たっぷりタンメン:520円→550円→570円→590円

中華そば+半チャーハン:640円→660円→670円→680円

餃子(6個):230円→250円→270円→290円

生ビール(中ジョッキ):290円→320円→340円→350円

 段階的に上昇しているが上昇幅は非常に緩やかであり、できるだけ安く抑えたいという企業努力がうかがえる。注目すべきは390円の中華そばで、同商品は2002年に1号店が開店して以来、価格を維持している。競合の幸楽苑は290円の中華そばを2006年に発売、低価格路線で規模を拡大したが2015年の終売で客離れが進み、業績が悪化した。日高屋が390円を死守する背景には幸楽苑と同じ轍を踏みたくない意図もあるのかもしれない。

 かつてハイデイ日高の青野敬成社長は、中華そばの価格を維持する目的について「幅広い層にファンになってもらうこと」と語っている。子どもに味を記憶してもらえれば、その後の継続的な利用を見込めるという算段だ。一方で、中華そば・餃子・生ビールの3点セットで1000円以下を維持してきたが、今回の価格改定で1020円となった。物価高や人件費の上昇が続く昨今、これ以上の価格維持は限界なのであろう。

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