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組織に必要な「キャプテン、リーダー、フォロワー」――バスケ強豪校を30年率いた名監督の「強いチームの作り方」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月1日 6時30分

遠香氏: 練習中や試合中にチームメイトを鼓舞していたり、どんな場面でも自分が率先して動いていたりする子が多いですね。リーダーに必要なのは、テクニックよりもみんなの前に出る「勇気」。そして、フォロワーに必要なのは、リーダーを支える「思いやり」なんです。

佐藤氏: ここでも、理念が生きてくるのですね(前編参照)。

遠香氏: はい。もちろん、勇気と思いやりは、部員全員に持っていてほしいものです。でも、リーダーとフォロワーには、特にその資質が求められます。

●30年前と今、変わったことと変わらないこと

佐藤氏: だから、勇気を持ってみんなを引っ張るリーダーによって、チームのカラーが決まっていくのですね。ちなみに、30年前と今など、時代によるチームのカラーの変化はありますか?

遠香氏: 「若者」という意味では、今も昔も変わりません。でもより納得感を持って練習をしたい生徒が増えてきていますね。

 例えば、30年前は学生にとってNBAの映像は、簡単に手に入るものではなかった。そのため、学生にとってはコーチの指導が絶対でした。

 でも今は、プロ選手の試合や練習風景を動画配信サービスなどで手軽に閲覧できます。そのため「自分にはこの練習が合ってそう」「次の試合ではこの先方を試してみたい」など、以前に比べて自分で考えて、やり方を提案してくれる子が増えました。これはうれしい変化ですよね。

 生徒たちに合わせて、私たち指導者も変わっていかなければいけません。約30年間、指導者という立場は変わっていませんが、どうしたら目の前の生徒たちが選手としても人としても成長できるかは、ずっと試行錯誤し続けています。

佐藤氏: 「納得してやりたい」は、若手の社会人からもよく聞きますよね。どんな理念を掲げていて、それを実現するためにどんな戦略で行くのか。それをきちんと説明できる企業で働きたい人が増えているし、その方が仕事へのモチベーションが上がると感じているのでしょう。

 「余計なことは考えなくていいから、とりえず手を動かせ!」という時代は、もう終わったのかもしれません。これからは、自分で考えて行動できる人が伸びていく。それは、部活も社会も変わらないのですね。

(仲奈々)

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