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日米韓チェーンが激突! マムズタッチ進出で活況の「渋谷バーガー戦争」、それぞれの戦略

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月11日 6時15分

 日本初進出となるマムズタッチの爆発的人気は、ある程度予想されていた。2023年10月20日~11月9日に渋谷でポップアップストアを展開しており、期間中は行列が絶えず、3万3000人が来店していた。満を持してオープンした渋谷店は、40日あまりで累計来店者数10万人、売上高1億円を達成したという。1日の平均来店者数は約2500人で、テーブル回転数10回は、業界平均の2倍を超えるとも発表している。

 マムズタッチは2021年から海外進出を行っており、これまでに米国・タイ・モンゴルに出店。日本は4カ国目の進出となる。特徴は、オーダーを受けてから店内のキッチンで作り上げる点にあるだろう。工場で生産した冷凍チキンを調理するのではないクオリティーの高さと、手に取りやすい価格から、韓国では“神コスパ”ともてはやされているらしい。ちなみに韓国での価格はサイバーガー単品4600ウォン、だいたい日本と同じ価格だ。

 サイバーガーはパティ1枚で相当なボリューム感がある。ラーメンでも普通に1杯1000円以上はする渋谷の外食事情では、相対的に割安だ。セットでポテトとドリンクが付いて850円というのも安い。

 日本進出に当たっては、ビーフバーガーの「本格プルコギバーガー」(550円)を新たに開発。骨なしフライドチキンは、プレーン(2ピース450円)だけでなく、日本で人気の韓国フードのヤンニョムチキン(2ピース490円)もある。

 フードだけでなく、2階に韓国で人気の「レシート写真機」があり、無料で使えるのも話題になっている。シャッターを押すと、スマホやプリクラでは撮れない、画像が粗いレトロなモノクロ写真がレシート状の紙に印刷されて、2枚出てくる。

●今後の課題は客層の拡大か

 渋谷で人気を得ているマムズタッチであるが、ただちに全国展開をして、成功できると考えるのは早計ではないだろうか。例えば、チキンの下味に辛いスパイスが使われているので、辛いものが苦手な人には受け入れられがたい。ドリンクにコーヒーや紅茶がないのも気になる。

 また、今のところ顧客層は韓国コスメや、韓国アイドルなど、韓国のポップカルチャーが好きなZ世代の若い女性に偏っている。この点は運営側も理解しており、1号店を流行り廃りの激しい都内の新大久保につくって、すぐに消費されてしまうのを回避したのではないだろうか。

 渋谷ならば、若い女性が多い新大久保と違って老若男女がいる。インバウンドも多く、まだ進出していない国の人たちへの宣伝にもなる。今後はいかに顧客層を広げられるかが、日本で定着するかどうかのポイントになるだろう。

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