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「ギャルのお悩み相談」も パーソルが社内GPTの“プロンプト掲示板”を作ったら、何が起きたのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月8日 8時0分

 「例えば上司に相談しても、いつでもすぐに返事があるわけではない。しかし、CHASSUは返してくれる。そういう使い方をしている社員もいるようです。自由闊達に作って、活用していますね。

 特定のインフルエンサーや職人的なクリエイターがいるというよりかは、IT系のキャリアを歩んできた人に限らず、さまざまな職種のグループ社員が投稿しています」(朝比奈氏)

●目指したのは、学びを周囲にシェアできるカルチャーの醸成

 投稿のハードルを上げないようにと、投稿前に審査は設けていない。自由な活用を喜ぶ朝比奈氏は、仕掛け人として驚いていることがあるという。

 「当社グループの社員は、基本的に真面目。例えば良い資料があるときに『グループ内でぜひ展開してください』と言っても、『上司の許可を得なくては』『同じグループの中でもビジネスが違うから、不都合があってはいけない』と断られてしまうような雰囲気でした。

 生成AIに限らず、テクノロジー活用を進めていくためにはそうしたスタンスではだめ。学びを周囲にシェアし、シェアをすることでさらに学びを深めていくようなカルチャーに変えていくため、プロンプトギャラリーを作りました」

 同社が社内GPTの社内展開を完了させたのは2023年10月のこと。同年2月頃に朝比奈氏が個人的に利用して衝撃を受け、「グループの中で絶対に進めないとまずい」と思い、エンジニアにプロトタイプの作成を指示した。約2週間で仕上げ、5月には役員に対して活用を推進していくことを宣言した。

 内製化を決めた当初から、プロンプトギャラリーのアイデアはあったというが、利用のハードルを下げる試みは、これだけにとどまらない。2023年度には、入門者、初心者、中級者、エンジニア……と複数のレベルに応じた1時間程度の研修やイベントを実施。そもそも生成AIやChatGPTとは何かを学ぶところから、業務活用と、それにとどまらず知見を周囲に共有できる状態までを目指すロードマップを設計した。

 受け身の姿勢にとどまらない積極的な活用のために、大会形式のイベントも実施。「AI Prompt Cup 2023」では、プロンプトの書き方と、その成果物を研修の受講者がシェアし、特に活用したいものを表彰する仕組みを取った。

 「(プロンプトカップを)企画したのは、ITのバックグラウンドもなければ社会人歴も浅い若手が中心。『自分たちと一緒に学び、マスターしよう』と、テクノロジー活用にこれまで積極的ではなかった人たちも入りやすい雰囲気を作っていきました」(朝比奈氏)

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