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「ギャルのお悩み相談」も パーソルが社内GPTの“プロンプト掲示板”を作ったら、何が起きたのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月8日 8時0分

●現場で独自の活用を 「小さなAI」を準備

 このようにして、グループ内での活用を促進しているパーソルグループ。生成AIの活用に当たっては大きく3つの領域を設け、それぞれで施策を展開している。

 まずは、グループの事業変革に向けた領域だ。経営レベルで取り組むものとしており、ディスカッションを重ね「これからトライしていく」(朝比奈氏)。

 2つ目は、グループ内の各社の事業における活用だ。例えば、パーソルキャリアが提供する人材紹介サービス「doda」では、2024年4月に求職者の職務経歴書作成を助ける、職務内容の自動生成機能を搭載した。また5月にはパーソルプロセス&テクノロジーがコンタクトセンター向けに、生成AI活用などによる業務効率化を支援する「デジタルコンタクトセンター構築サービス」の提供を始めた。

 3つ目が、グループ全体で利用を促進していくための取り組みだ。朝比奈氏の指揮のもと、パーソルホールディングスが主導して進めており、CHASSUの開発や研修、イベントなどはこれに当たる。

 人材サービスを中心に展開するパーソルグループだが、その業態は各社で異なる。ホールディングスが中心となり、使い方をトップダウンで伝えるような方式はそぐわない。各社・各部門が独自の活用を進められるような基盤作りを意識して進めている。その一つが、「小さなAI」の取り組みだ。

 「OpenAIはChatGPTの機能として、GPTをカスタマイズできる『GPTs』を提供しています。こうしたイメージでわれわれも基盤を作り、(グループ各社の現場で)“小さなAI”を作れるようにしています。

 これまで、人事や経費精算のルールをAIのチャットbotに読み込ませるには、全ての振る舞いを設定する必要があり大変でしたが、生成AIの登場でかなりハードルが下がりました。既存のドキュメントを読み込ませてプロンプトを設定すると、(各現場の業務やルールに)特化した小さなAIをローコードで作れます。

 こうした基盤を用意しておけば、例えば営業が利用するアプリケーションの上に、そのアプリケーションにだけ必要なチャットbotを呼び出せるようにできます。専門家ではなくても簡単にAIを作れるよう仕掛けた上で、活用を促進する取り組みを進めています」(朝比奈氏)

 親しみやすい仕掛けを用意しながら、生成AIの活用促進を進める同社。背景には、グループの中心である人材業が労働集約型であることへの懸念がある。今後は社内活用と、提供するサービスなどへの組み込みのいずれもを進めていく意向だ。

 「テクノロジーの力を使って社内の工数を減らし、もっと顧客に向き合う時間を増やす取り組みを、グループ内の各所で準備しています。昨年度から事業への活用も仕込んであるので、今年はさまざまな発表ができると思います」(朝比奈氏)

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