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銀座でなんと3時間待ち! 「アサヒスーパードライ」の新しい店と若者の関係

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月18日 7時15分

 「Immersive=没入」という言葉どおり、店の特徴はちょっとしたテーマパークのような気分を味わえること。「ははーん。イマーシブとか没入って言葉をよく耳にするようになったよね。流行にうまくのって、来場者を増やしたってわけ?」などと思われたかもしれないが、半分正解といったところ。

 というのも、同社がこうした施設を始めたのは2021年のことである。まだイマーシブという言葉が広まっていないころに、茨城県の工場内に没入をウリにした施設を導入したところ、多くの人が詰めかけているのだ(大阪の工場にも、2022年に導入)。

 銀座のコンセプトショップや工場に導入した施設名は「スーパードライ ゴーライド」。自らがビールの缶に乗っている設定で、「振動」「風」を感じるというもの。なぜ工場でこのようなモノを設置したのかというと、2つの理由があった。

 1つは、差別化である。ビール工場の見学といえば、だいたいパターンが決まっている。会社の歴史やビールのつくり方などを紹介して、最後にできたての一杯を提供する。アサヒビールも同じような施設を運営してきたわけだが、このままだと競合他社との違いを出せない。こうした課題を感じていたので、エッジの効いたコンテンツを企画したのだ。

 2つめは、若い人の獲得である。ビール工場を見学するのは年配の人が多く、もっと若い人にも来てもらいたいという思いがあった。会社の説明やビールのつくり方だけではなく、なにか没入できる仕掛けはできないか。ワクワクするようなコンテンツを用意すれば、若い人が来てくれるかもしれない。

 こうした議論があって「ゴーライド」を始めたところ、どのような結果が出たのか。導入前、20~30代は2割ほどだったが、導入後は4割に増加。以前は年齢をカウントしていなかったので正確な数字ではないというが、肌感覚として若い人は圧倒的に少なかった。しかし、「いまでは『ゴーライドを体験したい』という目的で、多くの若年層が工場見学を訪れています」(マーケティング本部の山田祐介さん)という。

●ゴーライドを体験するために、3時間待ち

 工場で人気に火がついたのであれば、銀座のコンセプトショップに設置しても盛り上がるのではないか。スーパードライの世界感を体験し、よりその世界に没入するための打ち手として導入した。

 店に入ると、まず2階に上がってゴーライドを体験する(飲食のみも可能)。座席は8席あって、4Kの大画面スクリーンから映像が流れてくるといった仕組みだ。体験時間は5分ほど。映像に合わせて風が吹いたり、揺れたり、間近で音が鳴ったり。没入感を味わいながら、ビールの作業工程を五感で楽しめるようにしている。

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