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銀座でなんと3時間待ち! 「アサヒスーパードライ」の新しい店と若者の関係

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月18日 7時15分

 1階はビールを楽しむスペースになっていて、自分でビールを注ぐ「マイスター体験」や、機械でビールの泡に文字や画像を描く「泡アート」を用意。地下1階はタイアップエリアとなっていて、4~5月は人気ロックバンド「ONE OK ROCK」、6~7月は「Spotify」の最新の話題曲を集めた人気プレイリスト「J-Rock ON!!」とタイアップして、オリジナルグッズなどを販売している

 冒頭で紹介したように、コンセプトショップには想定以上の人が詰めかけているわけだが、オペレーションはうまくいっているのだろうか。GW中にオープンしたこともあって、多くの人が押し寄せることに。ゴーライドを体験するために、3時間待ち――。そんな日もあって、運営の担当者は「さすがにマズい」と感じて、急きょ整理券を用意することに。

 その後も、平日の夜に行列ができることがしばしば。週末は入場制限を設けるほどの事態になっているのだ。

●問題は“その後”である

 コンセプトショップを利用しているのは、どのような人なのか。正確に測り切れていない部分もあるとした上で「20~30代の人が40%ほど。外国人が15%ほど」(山田さん)だという。銀座という土地柄もあって、外国人観光客の利用が目立っているが、若い人の利用は工場とほぼ同じ。どうやら当初の狙い通りに話が進んでいるようである。が、しかしである。

 予想以上の人が詰めかけているにもかかわらず、山田さんは「もっと多くの人にゴーライドを体験してもらいたいですね」とつぶやく。「ぜ、ぜいたくな、まだ足りないのか」といった声が飛んできそうであるが、理由を尋ねると納得である。

 ゴーライドを楽しむために多くの人が訪れることはうれしいわけだが、問題は“その後”である。先ほど紹介したように、まず2階で没入を体験して、その後は1階または地下で飲食を楽しむという流れだ。ゴーライドは5分ほどで終わって、その人たちがどっと降りてくる。となると、どうなるか。飲食スペースは50席ほどしかないので、ごった返してしまうのだ。

 工場の場合は施設がいくつもあるので、順路に従って人がどんどん流れていく。しかし、コンセプトショップの場合は渋滞が起きてしまう。このことは大きな課題として受け止めていて、席を増やしたり、ゴーライドの説明を短くしたり、さまざまな手を打っているものの、決定打はまだ見つかっていない。

 「1人2杯まで」「飲食は30分まで」といった条件を設定することもありかもしれないが、コンセプトショップという特性を踏まえると、お客にはできるだけ気分よく帰ってもらいたい。「辛口のおいしさ」を体験してもらうために始めたのに、お客から「辛口の言葉」が返ってきたら……笑えない話である。

 ビール会社が没入感を体験できるコンセプトショップを運営するのは、初めてのこと。うまくいくこともあれば、うまくいかないことがあっても当然である。お客がスムーズに流れないという「循環」に悩みがあるわけだが、若い人がたくさん来るという世代交代の「循環」には、ちょっぴり手応えを感じているようだ。

(土肥義則)

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