なぜテールランプがまぶしいクルマが増えているのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月21日 7時15分
道路交通法施行細則は都道府県ごとに定められるものだが、多くの地域で同じ細則が施行されている。他のドライバーを強い光で幻惑した場合、罰則は罰金5万円だが、これによって交通事故が発生した場合は当然、事故の責任が問われることになる。
最近はドライブレコーダーや防犯カメラで走行車両の映像が撮られている。思わぬところで自分が危険な行為をしていた証拠が残されてしまう時代なのだから、自己防衛の観点からも正しい使い方をする方がいいだろう。
●ブレーキランプの規制が変わったことも原因
また、最近ブレーキランプやウインカーがまぶしい理由の一つが、これらのランプにおける規制の撤廃だ。ブレーキランプは従来、発光する面積が20平方センチメートル以上(2006年以降は15平方センチメートル以上)とされていたが、現在は面積に関する規制が解除されており、スモールランプの5倍という照度を確保していれば保安基準はクリアするようだ。
これによって、ブレーキランプがまぶしいクルマが出現している。
トヨタのハリアーは現行モデルとなってテールランプのデザインが大胆に変わり、話題となっている。ウエストラインにある薄いテールランプは、その間も細いスモールランプがつなぐことで端正な印象を放っている。
しかしブレーキペダルを踏んだ途端、その一直線の帯から、強い光を放つブレーキランプが主張を始めるのだ。それ自体は安全のために必要だが、1カ所から放たれる光は、後続ドライバーから見ればやや刺激的すぎるのである。
さらにウインカーはバンパーの下部にマウントされており、かなり奇抜なデザインである上に、至近距離では被視認性が低い。降雪時には走行によって巻き上げられた雪がウインカーランプを覆い、見えにくい状況になることが話題になった。
デザイナーが意図したもの、それを支持して採用した開発や販売の現場の判断が間違っていたとまでは言わない。だが、ブレーキランプのまぶしさ、ウインカーの被視認性の低さなどが指摘されるようであれば、安全性を最重視すべき量産車にあっていささかデザインを優先してしまいすぎた感がある。
トヨタ車でブレーキランプがまぶしいクルマは他にもある。RAV4や先代のアルファード/ヴェルファイア、クラウンクロスオーバー、レクサスNXなどもブレーキランプがまぶしい部類に入る。
面発光のフィルターを介して広く光らせるタイプであれば、LEDを使ってもまぶしさは感じない。けれども、まぶしさを感じるクルマはブレーキランプの面積を小さくして、LED3灯が点灯する光を直接放つような構造になっているのだ。
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