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物価高時代に、なぜ競合より「ちょい高」なコメダ・星乃が伸び続けているのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月22日 6時30分

 対する星乃では「星乃ブレンド」「彦星ブレンド」「織姫ブレンド」と看板商品のコーヒーが3種類あり、いずれも580円だ。スイーツやサンドイッチなど軽食も提供する。星乃は特に食事メニューに力を入れており、オムライスやドリア、カレーなどの飯類を単品800~1000円で提供している。なお推定の客単価はコメダが800円、星乃は950円程度とされており、ドトールの客単価とされる400円弱と比較すると高い。

 店内の様子は両者とも広々としている。席同士の距離はセルフ型チェーンより離れており、椅子はソファーのようにやわらかい。違いを挙げるとすれば、星乃の方が店内が暗く、高級感のある印象だ。黒や濃い褐色を基調とし、昔ながらの喫茶店のような雰囲気がある。

 対するコメダは赤い椅子に木目のテーブル席がセットとなっており、全体的に明るい印象を受ける。また、コメダには電源やWi-Fiのサービスがあるのに対し、星乃にはこうしたサービスはない。星乃ではPCを操作する客をほとんど見かけず、勉強や作業をしている客もコメダより少ない印象だ。

●空間そのものへの評価が高い

 それぞれ、人気の秘訣はどこにあるのだろうか。口コミやSNSの投稿、各種アンケートの結果を参照すると「落ち着く」「雰囲気が良い」「リラックスできる」といった空間に対する高評価が多いことが分かる。

 コメダについて、スパコロ(東京都港区)が過去に実施した調査では、利用目的として「リラックス/息抜きの場として利用するため」(50.0%)が1位となっている。2位は「休憩時間に利用するため」(41.5%)であり、空間の雰囲気が評価されている結果である。同アンケートでは集団利用目的でも、他チェーンより選ばれていることが分かった。SNSでたびたび話題となるが、シロノワールのように“逆詐欺”のボリューム感もコメダの魅力とされる。

 星乃に関しても、落ち着く雰囲気や店内の快適さなど、空間の良さに関する口コミや評価が多い。やや暗い雰囲気が醸し出しているのか、高級感や全体的な品質の高さを評価する意見も見かける。店内もコメダより星乃の方が全体的に静かな印象だ。くつろいでいる一人客も多い。その他にも、口コミではコーヒーの味や香りに対する高評価も見かける。前述の通り星乃・彦星・織姫と3種類のブレンドを看板商品とし、ハンドドリップを訴求していることから、コーヒーに対するこだわりが消費者に評価されているのだろう。

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