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“ビジネス界のアカデミー賞”が投げかける問い 働く人に称賛を

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 12時7分

 「実際には大企業を含め、素晴らしい企業はたくさんありますし、大勢の人たちが働いています。一部のスキャンダラスな大企業によって、普段から真面目にがんばって働いている人たちまでもが、汚名を着せられてしまうのは不公平だと感じました」

 その思いの中でギャラガー氏は、自分の職務経験を生かして「ビジネス界のアカデミー賞を作ればいい」と思いついた。真剣に仕事をしている経営者、営業マン、科学者、エンジニアなどにステージに上がってもらい、トロフィーを授与するのだ。

 「俳優たちがきらびやかなステージに立ち、皆からの称賛を浴びるのならば、働いている人たちのためにトロフィーを授ける場を作り、スポットライトを当てたいと思いました」

●「審査の見える化」で信用を上げる

 賞に応募したい人は、部門ごとにエントリーし、それに応じたケーススタディを提出する。

 「具体的には、こういった課題があり、そのためのソリューション、結果はこうなったということをまとめるので、ビジネススクールで提出するような体裁です。なぜこの方法にしたかというと、知らない分野のビジネスのことでも、ケーススタディを読むと『なるほど』と理解しやすいからです」

 審査員は皆ボランティアだ。自分に割り当てられたケーススタディを読み、10点満点で評価をする。審査基準は、投げかけられた問い全てに回答を出していたかどうか、どの程度の成果を出したのかなどだ。さらにその成果は、一体誰に影響を与えたのか、何を世の中にもたらしたのかも回答しなければならない。

 「中には、技術的に洗練されたものもあります。一方で、人々の生活がどの程度、改善したのかが分からない場合、レーティング(評価)は低くなります。もちろん、具体的にこれは良かった悪かったなどの講評もしてもらいます」

 審査員は約1000人いて、主催者側からお願いする場合と、過去の受賞者に参加してもらう場合に加え、一般からの自薦もある。審査員になりたい人は公式サイト内にあるフォームから申し込む。主催者側は、候補者の身分や持っている知見が本物なのかなど、審査員としてふさわしいかどうかチェックする。合格した場合、審査員用の専用ページがあり、そこにログインすると、担当する案件が表示され、審査を開始するという。人々が審査員に立候補するインセンティブは何なのか。

 「まずは、自らの経歴書に箔(はく)がつきます。もう一つは、ビジネススクールで勉強するようなケーススタディーですから自分にとってのいい教育のチャンスだということです。例えば、日系企業のケースの審査員になることで、彼らはどんなチャレンジをし、乗りこえてきたかを読めます。それは参加者にとって非常にためになるのです」

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