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物流のムダどうなくす? 「保管効率」を上げる方法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月19日 7時35分

 例えば、保管場1平方メートルあたりの在庫量というKPIで管理していくことが考えられる。この数字を高めると、保管場内にはびっしりとものが置かれている状態になる。さらに保管効率を向上させるためには、空間を有効に活用することが望ましい。

 そこで、先ほどのKPIを次のように変えてみてはどうだろうか。

 それは保管場1立方メートルあたりの在庫量ということになる。つまり「高さ」を活用することで効率を上げようという考え方である。保管場を面積で把握するのではなく容積で把握するのだ。保管場総容積に対して、保管されているものの総容積の割合ということになる。これを保管効率というKPIとし、この数字を向上させていくと、倉庫を有効に活用することにつながる。

 しかしこの数字だけを徹底して高めると、保管場内にはぎっしりとものが詰め込まれ身動きが取れないほどになる。「保管効率」だけを考えればこれが望ましい姿かもしれない。しかし、それでは日々の作業効率を著しく低下させる危険性がある。そこで同時に「作業効率」を考えていかなければならない。

●作業効率アップに使える指標とは?

 保管作業には、保管されているものの品質や数量管理などの管理業務とともに、ものの出し入れを行う入出庫業務が存在する。この業務をスムーズに行うためには、次のような5つの原則(保管5原則)がある。

保管5原則

(1)在庫を一動作で入庫・出庫できる

 在庫の前や上などに置かれた別のものを、いったんどかさなければ入庫や出庫ができない状態を避けること。

(2)在庫の場所が瞬時に分かる

 保管場のどこに何が置かれているのかが瞬時に分かること。

(3)在庫の量が瞬時に分かる

 品目別に在庫量がリアルタイムで瞬時に分かること。

(4)先入先出ができる

 古いものから順に出庫できるように置き方が工夫されていること。

(5)アクションの緊急度が分かる

 在庫が一定数まで達したら何かしらのアクションをとることにつながる状態を示す。例えば、生産や納入を止める、逆に生産や納入を開始する――などといったアクションにつながるように、保管場所にアクションポイントを明示しておくこと。

 これ以外に保管作業効率を向上させるためには、保管場のレイアウトやものの置き場であるロケーションをきっちりと確立したい。

 当たり前のことではあるが、流動量の大きいものは保管場の出入り口の近くに保管する。また非常によく似た製品同士は離れた場所に保管することで誤出庫を防ぐなど、物流品質にも気を配ったロケーション管理を行うことが望ましい。

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