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なぜNTTデータは「カプセルホテル」を始めるのか ZZZデータが“お宝”になりそうな未来

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月25日 8時40分

 朝にパンを食べて、昼にうどんを食べて、夜は居酒屋でお酒を飲んで……と毎日記録していかなければいけない。体調面で不安がない人に、「健康のためにアプリを使ってね」と訴えても、なかなか響かない。

 アプリを立ち上げて、食事の写真を登録したり、何を食べたのかを記載したり、何を飲んだのかもメモしたり。同じようなアプリはたくさんあるので、すでに使っている人はなかなかダウンロードしてくれない。健康を目的としたアプリは「意識が高い人または危機に直面したとき以外はなかなか広がらない」と判断して、断念したことがある。

 こうした失敗を繰り返さないためには、どうすればいいのか。「利用者に『面倒』と感じられたらダメ。生活の一環に取り組むことが重要だ」と考えた。

 ホテルに宿泊するだけでデータを取得できるのであれば、利用者は抵抗がなくなるのではないか。例えば、飲み会が終わってホテルに泊まるとしよう。カプセルホテルで就寝→後日、解析結果が届く→改善方法を調べる→Fitbitで計測する習慣がつく→アルコールの量を控える、といった流れが生まれるかもしれない。

 こうした仮説を立てたものの、うまくいくとは限らない。ということで、NTTデータは社員をモニターにして、PoCを実施することに。ナインアワーズが運営するカプセルホテルに宿泊して睡眠解析を受けたほか、Fitbitを使って自宅での睡眠を計測した。

 目的は2つあって、1つは社員のその後の習慣に変化があったかどうかである。結果、多くの人の意識と行動に変化があったという。もう1つは、意味のある情報を得られるかどうかである。データなどから「改善行動をしたけれど、改善しなかった人」「改善行動もなく、改善もしていない人」など、いろいろなタイプに分けられることを確認した。

 こうしたデータを増やすには、やはり宿泊施設が必要ではないか。行動データをたくさん取得するために、カプセルホテル事業に参入といった流れになった。

●睡眠データとビジネスモデル

 さて、気になるのはビジネスモデルである。カプセルホテルで取得したデータを使って、どのようにして“もうけ”ようとしているのか。

 ここからの話も壮大である。カプセルホテルを起点にして、睡眠に関わる複数の業界との連携である。例えば、医療機関であれば、睡眠データを提供することによって、患者の診断に役立つかもしれない。睡眠不足の人がいれば、寝具メーカーからの広告出稿があるかもしれない。データを匿名にして、食品メーカーと一緒に新商品の開発に携われるかもしれない。

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