リテールメディアの成長を阻む「3つの壁」とは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月26日 8時5分
リテールメディアの成長を阻む「壁」とは?
日本国内では2022年ごろから注目が集まり、その価値についての議論が盛り上がっているリテールメディア。筆者も、クライアントである小売業者の皆さまから「新しい収益の柱としてリテールメディアに期待している」という声を多く聞きます。
リテールメディアの果実を享受するには、その本質を理解し、広告を出稿するメーカーに確かな価値を提供しなければなりません。本稿では、日本のリテールメディアの展開にブレーキをかけないために、どんな点に気を付けて価値提供を行っていくべきか考えてみたいと思います。
●リテールメディアらしい価値とは?
気を付けるべきポイントを整理する前に、リテールメディアが持つ独自の価値についてあらためて述べておきます。それは、小売業界が蓄積する実購買データ(1st Partyデータ)を活用し、「認知」「興味」といった曖昧(あいまい)なデータではなく、間違いなくその商品を買ったという「意思決定そのもの」のデータを使って広告のターゲティングが可能であることです。
弊社のある飲料系クライアントは、この精度を上げることで施策のCVR(コンバージョン率)が60%を超えました。この数字は他の手法ではなかなか到達できない領域でしょう。
もう1つ、リテールメディアは購買に対する意識が能動的に高まっているときに接触させやすいメディアであるのも強力な価値です。基本的に他のメディアを通じた広告施策は、消費者がTVを見ている時、スマホで何かをしている時、その時間を奪うような形でメッセージを届ける場合がほとんどです。
対してリテールメディアはスーパーなどの店頭やアプリなどで展開されるメディアです。購買意識が高まっている消費者に向けて、さらにターゲティングされたメッセージを届けるわけですから、より自然な形で購買を促せるわけです。
リテールメディアの価値は主にこの2つです。これをベースに機能を拡充すれば、他のメディアを通した施策では到達できない効果を生み出し、価格競争に巻き込まれない価値を作っていけると考えています。
しかし、この2つの価値を磨くだけでは突破できない壁が、日本のリテールメディアには存在します。その壁とは次の3つです。
・リテールの壁
・チャネルの壁
・体験の壁
この壁を超えないことには、今後リテールメディアが日本で定着することはないでしょう。
●リテールの壁を超えてネットワークを構築せよ
1つ目は「リテールの壁」です。最初にご紹介するこの壁の突破が、最も難しいものかもしれません。
この記事に関連するニュース
-
2024年版カオスマップ発表から考える、リテールメディアのこれから 発展には10ステップが必要だ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月28日 6時35分
-
国内リテールメディアの問題とは? ただのトレンドで終わらせないために
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月17日 13時30分
-
DoubleVerify2024年版グローバルインサイトレポート、リテールメディアはビューアビリティの課題はあるものの、安全なエンゲージメントの機会であることが判明
Digital PR Platform / 2024年6月7日 13時41分
-
unerryとカイバラボ、PPIHグループのリテールメディアサービス拡充に向け連携 大規模な広告配信と効果検証を両立可能なメーカー向けサービスを提供開始
PR TIMES / 2024年6月6日 15時45分
-
カイバラボ×unerry PPIHのリテールメディアサービス拡充に向け連携
Digital PR Platform / 2024年6月6日 12時0分
ランキング
-
1ウイスキーが「おじさんのお酒」から激変したワケ 市場復活に導いたサントリーのハイボール秘話
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 8時20分
-
2意外な面倒さも? 財布いらずの「スマート支払い」、店側はどう思っているのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月30日 8時10分
-
3関東「気動車王国」の離れ小島路線が面白い! 不思議な“右ハンドル”車両 3駅の路線に“スゴイ密度”であるものとは?
乗りものニュース / 2024年6月29日 15時12分
-
4「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
乗りものニュース / 2024年6月29日 16時42分
-
5上海の伊勢丹が営業終了、中国で日系百貨店の閉店相次ぐ…高島屋は売上高が減少傾向
読売新聞 / 2024年6月30日 20時56分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください