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無印良品の「リユース商品」じわり人気 従来店舗とは異なるユーザー体験がカギ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月15日 6時30分

 ユニクロも同様に「UNIQLO 古着プロジェクト」としてポップアップショップを開くなどの取り組みを始めていますが、そのポスターにも「ヴィンテージ」「遊べる」「新品じゃ出せない色」といったキーワードを散りばめています。やはりサステナビリティだけを押し出しているわけではないのです。

 社会問題や環境問題の前に、まずは自分にとって心地良いことを。そもそも売られている服がかっこいいとか、おしゃれとか、欲しいとか、そんなパーソナルな動機を起点とした体験が今、リユース界隈で起きていることなのです。

●「サステナブル」や「エシカル」はモチベーションになりづらい?

 「自分にとって良い」から人は動く。つまりそれは「モチベーション」の論理です。

 これまでの連載でも紹介した「B=MAT」という消費者行動モデルに当てはめて考えてみます。これは「動機、能力、きっかけ」の3要素によって行動は起きることを示したものです。

 さて、これをReMUJIに当てはめてみましょう。

 「かっこいい服が欲しい」「服を見たい」といったものが「動機」です。新品と比べて値段が変わらなかったり、安かったりする「低い障壁」が「買える」という「能力」。そして、無印良品の店舗に立ち寄れば売っているのが「きっかけ」。このように、サステナビリティの要素を含めずとも購入という「行動」が成り立ちやすいのです。

 もちろん「地球にやさしい買い物をしたい」といった動機もあるでしょう。ただし、大抵の場合、それと合わせるような「別の動機」や「低い障壁」が関連しています。

 その他の例として、スターバックスの「カップ値引き」を挙げてみます。タンブラーやリユーザブルカップを持参すると、ドリンク1杯あたり22円値引きされるというもので、すっかり日本でも定着した取り組みです。カップを繰り返し使用することはまさにサステナブルであり、値引きされるというインセンティブが「日常使いするものだからこそ安く買いたい」という動機に当てはまったと考えられます。

 「身銭を切る」という行動はなかなかにハードルが高いもの。だからこそ、サステナビリティ観点の動機だけでなく「かっこいい服が欲しい」という別の動機や「安価である」という低い障壁が備わってこそ、行動につなげることができるのです。リユース消費の人気は、このような消費者行動モデルに照らしても妥当であると捉えられます。

 ちなみにですが、メルカリUSが発表した「2023年度リユースレポート」では、中古品購入の動機として「節約」「サステナブルな暮らし」に加えて「ユニークで面白いものを見つけたい」を挙げています。それはまさに、サステナビリティ観点の動機に合わさるものとして機能しているのでしょう。

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