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無印良品の「リユース商品」じわり人気 従来店舗とは異なるユーザー体験がカギ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月15日 6時30分

●「サステナブルな行動ができている」という成功体験を

 さて、先述のとおり「サステナビリティ観点の動機」単体では行動につながりにくいだけで、サステナビリティ観点の動機というものは確かに存在しています。

 ここで参考にしたいのは、2023年に消費者庁が実施した「消費生活意識調査」(PDFより)の結果です。リユース消費と近しい文脈で語られることの多い「エシカル消費」に関する設問で、「エシカル消費に取り組む理由」としては「同じようなものを購入するなら環境や社会に貢献できるものを選びたい」「環境問題や社会問題を解決したい」と回答した人がそれぞれ4割以上いました。

 また、アクセンチュアの「グローバル消費者調査2021」を見ると、「サステナビリティに配慮した製品・サービスにより高いお金を払ってもいい」と回答した人の割合は、日本が欧米諸国を上回っているという結果も出ています。

 ちょっと意外かもしれませんが、日本人のサステナビリティに対する意識は決して低いわけではありません。けれど行動につなげることは簡単ではないのです。

 であれば、先述のように「自分にとって良い」と思える行動を組み合わせることで「サステナブルな行動ができている」と実感してもらう──こんなアプローチがリユース消費の体験では生まれているのです。

 これはまさにReMUJIが行なっていることだと捉えられます。

 ReMUJIの店舗では「ReMUJIの取り組み」といったリユースのプロセスや、「服は布から」というメッセージを掲げたポスターが掲げられています。服だけでなく、サステナビリティに関する情報だけでもなく、ストーリーとしてセットで提供している。こんな店頭体験があるからこそ、結果としてサステナブルな行動の実感が沸くというものです。

 サステナビリティの波には自分から飛び込むのではなく、いつの間にか波に「乗れていた」。ReMUJIをはじめとしたリユース消費で生まれているのは、そのような成功体験なのでしょう。

●ヒットするのは「企業側のスタンス」も変わってきたから

 ここまで、リユース消費におけるユーザー体験を軸に「サステナビリティとの付き合い方」を考えてきましたが、リユース品はサステナブルだから良いという単純な話ではなさそうです。リユース品だからこそ持っている「それぞれの商品のユニークさ」がポイントになり、「それいいな」と思える体験が生まれ、結果としてサステナブルな行動につながっています。

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