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孫正義を37年“独占取材”した作家が知る実像 「1000年の歴史に名を残す人」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月1日 5時30分

 1986年には、米マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏を取材。この取材をした作家ということで、孫氏から取材の許諾を得て、1987年に初めて孫氏にインタビューする。孫氏は1981年に日本ソフトバンクを創業。ソフトウェアの流通業務から出版などに業務を拡大し、急成長を遂げていた時期だった。井上氏は孫氏に初めてインタビューしたときの印象を、こう振り返る。

 「孫さんはニコニコしていました。当時はまだ世界一という言葉は使っていませんでしたが、ナンバーワンになると言っていました。今と同じですよね。2日間にわたって取材し、録音したカセットテープは4時間分にもなりました。ここまでのロングインタビューは今では考えられません」

 井上氏は今年、ビル・ゲイツ氏に38年ぶりにインタビューをした。ビル・ゲイツ氏と孫氏をそれぞれ取材してきた井上氏は、2人の関係を『志高く 孫正義正伝 決定版』の中で描いている。

 「孫さんは1987年に雑誌『THE COMPUTER』の創刊号のためにアメリカにわたって、インタビュアーとしてビル・ゲイツ氏を取材しました。孫さんがしつこく綿密な質問を繰り出すのに対して、ビル・ゲイツ氏も体を乗り出して答えて、1時間の約束を大幅に超えました。この日以来、2人の付き合いはずっと続いています」

 2人がお互いをどう見ているのかについても、井上氏は話を聞いている。そこから見えてくるのは、ライバルとして敵対するのではなく、お互いを理解し合う姿だった。

 「孫さんはビル・ゲイツ氏のことを『エジソン、ロックフェラー、カーネギーなど歴史上の偉大な人物と言われる人よりもゲイツは上ですね。彼は歴史に名を残す人物です』と形容します。ビル・ゲイツ氏に今回のインタビューで、孫さんをどういう人だと思うかと聞くと『アントレプレナー(起業家)』だと、一言で表現しました。2人とも仕事が大好きで、高い次元を見ているところが共通しています」

 一方で、2人の違いをこう表現する。

 「ビル・ゲイツ氏はテクノロジーの開発が中心。孫さんはコンピュータのインフラやソフトウェアが業務の中心です。それぞれの業務が補完関係にあります。敵対することがなかったので、付き合い続けることができているのでしょう。孫さん自身、ビル・ゲイツ氏とはよく連絡を取り合って、新規事業がぶつからないようにしていると話していました」

●井上氏が見てきた「孫正義の実像」とは?

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