カチンコチンの「天然水ゼリー」が好調 膨大な自販機データから分かってきたこと
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月30日 6時30分
であれば、From AQUAを使ったゼリーがウケるのではないか。夕方から売れるかもしれない。このような仮説を立て「天然水ゼリー」が生まれたのである。
さて、冒頭のオノマトペに戻ろう。天然水ゼリーの食感は「プルプル」であるが、もうひとつの「シャリシャリ」はどういった意味か。実は、2023年8月にJRの品川駅と大宮駅に「冷凍From AQUA 天然水ゼリー自販機」を設置して、シャーベットタイプを販売したのだ(期間限定)。
「ははーん、だからプルプルではなくて、シャリシャリなのね。でも凍らせたら、すぐに飲めないのでは」と感じられたかもしれないが、その通りである。喉が渇いているからすぐに飲みたいといった人には向かないが、昨年の夏を思い出してほしい。とにかく暑かった。
駅の中はむしむしするので、きんきんに凍った天然水ゼリーを購入して、首回りにあてたり、額に押し付けたり、ほっぺにくっつけたり。しばらくすると溶けてくるので、キャップ開けて「シャリシャリ」感を楽しむ人が多かったようだ。
●どういった人が購入しているのか
発想としてはユニークな商品だが、どのくらい売れたのだろうか。結論から先に言うと、売り切れる日が続いた。想定以上の反響があったわけだが、どういった時間帯にどのような人が購入したのだろうか。
時間帯を見ると、午後1時からじわじわ売れていって、ピークは午後3~5時にかけて。先ほど開発するにあたって「夕方の“穴”を埋められるモノ」と紹介したが、狙い通りの結果となったのだ。
男女・年代別で見ると、男性20~40代が多い。大宮駅では1.8倍、品川駅では3.4倍、それぞれ男性が大きく上回った。駅の利用者は女性よりも男性のほうが多いので、この結果は予想通りといったところ。そんな中で、商品開発に携わった担当者は「男性10代」の数字に注目していた。
他の自販機のデータを見ても、男性10代の数字は低いことが多い。10代といっても、前半と後半では購買力が違ってくるので、そもそもの母数が少ない。また、電子マネーにチャージしているお金は親が負担しているケースが多く、「ムダ使いしないように」多くのお金を入れていないこともある。
こうした背景があるので、10代の購買率は低い傾向があるが、凍った天然水ゼリーは違った。購入者が最も多いのは男性20代ということを踏まえると、この商品は若い男性に支持されていることがうかがえたのだ。
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