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「迷惑かけないでね」 直販タブーのテレビ業界でインサイドセールス発足、メ~テレはどうやって成果を出した

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月23日 7時20分

 「最初は人がいなかったので『やらざるを得なかった』だけです(笑)。ただ、直接顧客の課題を知ることで顧客理解が増し、それによって売れる商材が分かってきたり、市場ニーズに合った協賛のメニュー価格設定ができるようになったりと、目利き力がつきました」(伊藤さん)

 また月に1度、グループ連携セールス会議を開催しているという。そこで、メ~テレグループ各社のアセットや商材を把握し、さまざまな提案に生かしている。その結果、Sansanと組んだ「Samurai DX ~戦国武将に学ぶ経営術~」というオンラインイベントや、全国学生対抗SFプロトタイピングハッカソン「Electric Sheep」といった新商材の開発にもつながった。

 CM以外の広告商材を数多く生み出し、テレビ局の可能性を証明してきた伊藤さんだが、2024年のチャレンジについてはどう考えているのか。

 「売れる商材や売り方が分かってきたので、セールスイネーブルメントに取り組んでいきたいです」と力を込める。

 伊藤さんによると、インサイドセールスの肝は「潜在ニーズを顕在化させる営業スキル」と「グループ会社を巻き込んだ複合的なソリューション提案力」の掛け算だという。この2つのスキルを言語化し、会社全体に広げていくことで、よりメ~テレの営業力を高めていく。

●ローカルテレビ局には「追い風」 テレビオワコンは思い込み

 伊藤さんは最後に、個人の見解と断った上で、自身の経験を踏まえて「今のビジネスモデルに頼っていれば、ローカルテレビ局の経営が厳しくなるのは想像に難くないです。しかし、ビジネスチャンスはあります」と可能性を示唆した。

 これまでテレビCMに出稿してきたのは、主要都市の大企業や地元の大手企業が中心だった。ローカル局が、キー局相手に限られた出稿主を勝ち取っていくのは難しい。しかし、ここ数年のデジタル化の波により、さまざまな商材やサービスが生まれた。特に、商圏を選ばないECビジネスは激増している。

 日本全国がターゲットとなり得るECビジネスが地方テレビでCMを流すことで、認知向上や新規顧客の獲得が見込めるのではないか、と伊藤さんは見ている。

 「確かに主要商品であるCMは落ち込み傾向にありますが、テレビ局がこれまで培ってきたコンテンツ制作力があればCM以外の新商材もきっと売れると思います。これまでインサイドセールスができなかったのは、商慣習もありますが、CRMやMAなどのツールがなかったからです。DXによってそこのハードルはかなり下がりました。少ない人数で始めていけます。ローカルテレビ局に、この可能性が伝わってほしいです」(伊藤さん)

 テレビを取り巻く環境はテクノロジーという台風に包まれ、急激で大きな変化を余儀なくされた。暴風雨の中で行動を起こすのは難しいが、インサイドセールスはローカル局にとって“台風の目”になるのかもしれない。

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