1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

リテールメディアは“何が”強みなのか? マーケティングに与えるインパクトとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月9日 8時10分

 単なる広告では邪魔に感じられたものが、サンプリングオファーになった途端、積極的に使いたいものに変わる。サンプリングオファーとは、メーカーにとっていわばマーケティング上の“ファストパス”のようなものだともいえます。

 加えて、「フロントメディア×サンプリング」の強みとして忘れてはならないのは“店頭という空間が味方になる”という視点です。

 サンプリングの手法として、サンプリングオファーを受け取った来店者自身が、その商品を店頭の棚から探し出し、レジまで持ってきてもらうというものがあります。この手法は店頭のスタッフの手を煩わせないという目的もあるのですが、重要な点は来店者が自ら新しい商品を棚から探し出すという体験にあります。普段の買い物とは違った宝探しのような体験を通して、商品と店舗双方に対してポジティブな認知と興味が強く形成されるでしょう。

 実際に消費者に店頭で動いてもらうという行動・体験を引き起こせるのはフロントメディアの強みです。店頭空間のポテンシャルをいかんなく発揮できるのがフロントメディアであり、これが北米を中心に「フロントメディア×サンプリング」が重要視されている理由です。

●リテールメディアは「ナーチャリングプラットフォーム」である

 先述しましたが、リテールメディアで展開する施策はリテーラーの会員IDにひもづいた1st partyデータを活用しているため、施策展開後の消費者の動きを把握できます。つまり、LTVから施策を評価し、より本質的なアプローチが可能になるわけです。

 従ってリテールメディアの最大のポテンシャルとは、ブランド経営へのインパクトを長いタームで推し量れることだと著者は考えています。そう考えると、リテールメディアは単に「広告を配信できるメディア」ではなく、消費者のナーチャリングを行うプラットフォームとして捉えるべきではないでしょうか。

●筆者プロフィール:松田伊三雄

カタリナマーケティングジャパン 取締役副社長 Chief Operating Officer

国内大手アルコール飲料メーカー及びグローバル消費財メーカーにて流通企画、ブランディング、営業・戦略部門を統括。国内大手GMS及びCVSのマネジメントも経験、ウォルトディズニージャパンでブランドライセンスによるマーケティングサポートのマネジメントを経て2019年カタリナマーケティングにVPとして入社。CMO、取締役CCOを経て2024年6月より取締役副社長COOとしてリテールメディアエリアを統括。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください