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クラファンの存在意義はどこへ向かう? 寄付から物販、「地下Vtuber」を推す場へ変わる今

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月10日 9時35分

●日本におけるクラウドファンディングの現状

 日本でも、クラファンは物販型が主流となっている。日本国内の代表的なプラットフォームとして、今回はキャンプファイヤー(CAMPFIRE)とマクアケ(Makuake)と取り上げたい。

 キャンプファイヤーは2011年に設立され、初期は社会貢献や地域活性化の寄付型プロジェクトが多かった。現在では新商品やサービスの先行販売を目的とした物販型プロジェクトが増加している。

 マクアケは2013年、サイバーエージェント内の新規事業として始まった「サイバーエージェント・クラウドファンディング」がルーツだ。設立当初から物販型のクラファンに特化しており、新商品の事前販売や新サービスの提供を中心に、多くのプロジェクトが成功している。2022年9月期には200億円の「応援購入」があったと発表している。

 その意味では、急速に物販型へ舵を切ったキャンプファイヤーの動きは、後発のマクアケのモデルに対する「同質化戦略」と見ることもできる。同質化戦略は、業界リーダーが取る定石の1つだ。

 2023年9月までに累計約770億円の支援金を集め、約8.1万件のプロジェクトが生まれたことで、業界におけるリーダーとする声も多いキャンプファイヤー。一方で、マクアケにはサイバーエージェントという強力な後ろ盾がある。そう考えると、キャンプファイヤーは果たして本当に業界リーダーなのか? という疑問も出てくる。むしろ、リーダーの座はマクアケに取って代わられているのではないか、と。

 そうなると、キャンプファイヤーの次に取るべき戦略は、フィリップ・コトラー先生に言わせるなら「ニッチ戦略」、マイケル・ポーター先生流に言うなら「差別化集中戦略」ということになる。キャンプファイヤーにとってのニッチ市場、もしくは集中市場が「推し活市場」なのだ。次項で詳しく説明する。

●クラウドファンディングと推し活

 最近のクラファン市場で筆者が特に注目しているのが、「推し活」プロジェクトである。推し活とは、自分の好きなアーティストやキャラクターなどを応援する活動のことである。

 クラファンは、この推し活の受け皿として機能している。特にキャンプファイヤーのサイトを見てみると、VTuber(バーチャルYouTuber)関連のプロジェクトが多数立ち上がっているのが見て取れる。それも大手Vtuberではなく、個人で活動している中小Vtuberの顔ぶれが目立つ。

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